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レコベル®皮下注ペン 海外第Ⅱ相臨床試験

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海外第Ⅱ相試験には一部承認外の用量が含まれますが、承認時評価資料のため掲載します。

海外第Ⅱ相試験(用量反応試験)

社内資料:海外第Ⅱ相試験(000009試験、CTD2.7.6.6)[承認時評価資料]

試験概要

目的
調節卵巣刺激を受ける被験者において、卵巣反応に関してレコベルの用量反応性を検討する。
試験デザイン
無作為化、実薬対照、評価者盲検、並行群間比較、国際共同、多施設共同試験
対象
IVF/ICSIのための調節卵巣刺激を受ける非日本人女性265例
試験方法
割付け前3ヵ月以内に実施したスクリーニング時のAMH値〔5.0~14.9pmol/L(以下、低AMH層)及び15.0~44.9pmol/L(以下、高AMH層)〕※1を層別因子として、月経周期の2~3日目に、レコベル5.2、6.9、8.6、10.3又は12.1μg/日あるいは対照薬のホリトロピン アルファ(遺伝子組換え(以下、ホリトロピン アルファ))150IU/日のいずれかの投与群に1:1:1:1:1:1に均等に無作為割付し、卵巣刺激を開始した(ホリトロピン アルファの1日用量150IUは11μgに相当する1))。
各群のゴナドトロピンの1日量は刺激期間を通じ固定し、1日1回腹部へ皮下注射した。卵巣反応に応じて最長16日間投与とし、卵胞最終成熟の誘起の基準に達した時点又は周期が中止された時点で投与を終了することとした。

併用薬の投与を含めた試験デザインを以下に示す。
試験デザイン
評価項目
(1)有効性
 
 
 
<主要評価項目>
採卵数(分布を含む)
 
 
<副次評価項目>
刺激期間中の卵胞の数及び大きさ 等
 
 
(2)安全性
 
 
 
<副次評価項目>
副作用の発現割合 等
解析計画
<主要評価項目>
採卵数を独立(転帰)変数とし、施設及びAMH層(5.0~14.9pmol/L及び15.0~44.9pmol/L)を因子とし、用量(対数)を共変量とする共分散分析(ANCOVA)を用いて分析した。主要解析は治験実施計画書に適合した対象(PP)集団、その他の解析については無作為割付され、治験薬を投与された(mITT)解析対象集団に基づき解析した。傾きの推定値が正であり、0とは有意に異なっている場合に、用量反応性が確立されることとした。ANCOVAモデルに基づく仮定は、残差を使用して評価した。線形性が疑われる場合、用量(対数)反応曲線の線形部分内にある投与群に限定して繰り返し解析した。
ANCOVAに加え、採卵数を独立(転帰)変数とし、施設及び用量を因子とする分散分析(ANOVA)を、副次解析として実施した。本モデルには全ての投与群を含み、全ての群間でのpairwise difference検定により95%信頼区間(CI)を算出した。また、AMH層因子別のサブグループ解析は事前に規定されていた。
<副次評価項目>
卵胞発育では、刺激期間中の各評価時期の卵胞を、卵胞ごと及び被験者ごとに投与群別に要約し、ANOVAにより投与群間差を検討し、レコベルの用量反応性を検討した。
 
 

※1 血清AMH値のng/mLからpmol/Lへの換算式:ng/mL×7.14=pmol/L

※2:刺激1、4及び6日目、その後は少なくとも隔日に行い、15mm以上の大きさの卵胞3個を確認した時点で、被験者は毎日来院することとした。

※3:直径が17mm以上の卵胞が3個以上みられた時点で遺伝子組換えヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)5000IU又はGnRHアゴニスト0.2mgを投与し、卵胞最終成熟の誘起を行った。

※4:刺激10日目に卵巣反応不良(直径10mm以上の卵胞が3個未満)又は卵巣反応過剰(直径12mm以上の卵胞が35個より多い)の場合には、周期を中止した。なお、直径12mm以上の卵胞が25個未満の場合、遺伝子組換えヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)5000IUを投与し、直径12mm以上の卵胞が25~35個認められる場合には、GnRHアゴニスト0.2mgを投与した(GnRHアゴニストを投与した被験者には新鮮胚移植周期では移植は行わず、胚盤胞を凍結した)。

※5:胚移植が予定されている被験者を対象に、黄体期管理のため採卵翌日から臨床妊娠の検査来院日までプロゲステロン腟錠100mgを1日3回投与した(プロゲステロン腟錠の用法及び用量:プロゲステロンとして1回100mgを1日2回又は3回、採卵日(又はホルモン補充周期下での凍結胚移植ではエストロゲン投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点)から最長10週間(又は妊娠12週まで)腟内に投与する)。

※6:IVF/ICSIにより受精させた最も良好な胚盤胞1個を移植し、残りの胚盤胞は凍結した。

国内における用法及び用量は以下のとおりである。

6. 用法及び用量

通常、ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)として、投与開始前の血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)値及び体重に基づき、下表に従い算出した投与量を、月経周期2日目又は3日目から1日1回皮下投与し、卵胞が十分に発育するまで継続する。なお、下表に従い算出した投与量が6μgを下回る場合は6μgを、12μgを上回る場合は12μgを、1日あたりの投与量とする。

6.用法及び用量

有効性

1)採卵数(主要評価項目)

採卵数(PP:サブグループ解析を含む)

PP解析対象集団の平均採卵数(平均値±標準偏差)は、レコベル5.2μg群5.4±3.3、6.9μg群8.4±5.8、8.6μg群9.4±4.5、10.3μg群10.5±7.0、12.1μg群12.7±5.6、ホリトロピン アルファ群10.4±5.2個であった。
AMH層別のサブグループ解析においては、レコベルが高AMH層で6.0~14.4個、低AMH層で4.6~10.2個の範囲であり、ホリトロピン アルファ群が高AMH層で12.4個、低AMH層で7.8個であった。

全被験者の採卵数

全被験者の採卵数

AMH層別の採卵数(サブグループ解析)

AMH層別の採卵数
用量反応関係(PP及びmITT※1:サブグループ解析を含む)

PP解析対象集団において、ANCOVAモデルによる用量反応関係の傾きの推定値は0から有意に正であり、レコベル5.2~12.1μg投与時の平均採卵数に統計学的に有意な用量反応関係が認められた(p<0.001※2)。
各AMH層のサブグループ解析においても用量反応関係が認められた(高AMH層p<0.001※2、低AMH層p<0.001※2)。

※1:modified intent-to-treat

※2:採卵数を独立(転帰)変数、施設及びAMH層を因子とし、用量を共変量としたANCOVA、p値はF検定(Type1)に基づく

mITT解析対象集団におけるレコベルと平均採卵数の用量反応曲線は以下の通りであり、レコベルの用量が同じ場合、採卵数は低AMH層と比べ高AMH層で31~97%高かった。

レコベルと平均採卵数の用量反応曲線(mITT)

レコベルと平均採卵数の用量反応曲線(mITT)
採卵数の分布(サブグループ解析)

高AMH層では、採卵数が8~14個の被験者の割合は、5.2、6.9、8.6、10.3及び12.1μg群でそれぞれ22%、27%、54%、42%及び38%であった。採卵数が15個以上の被験者の割合はそれぞれ9%、19%、21%、38%及び50%であった。
低AMH層では、採卵数が8~14個の被験者の割合は、5.2、6.9、8.6、10.3及び12.1μg群でそれぞれ5%、21%、35%、30%及び60%であった。採卵数が8個未満の被験者の割合は、それぞれ95%、68%、60%、70%及び30%であった。

AMH層別の採卵数の分布

AMH層別の採卵数の分布

安全性

副作用の発現割合(副次評価項目、安全性解析対象集団)

副作用の発現割合はレコベル5.2μg群7%(3/42例)、6.9μg群11%(5/45例)、8.6μg群9%(4/44例)、10.3μg群7%(3/44例)、12.1μg群13%(6/47例)、ホリトロピン アルファ群2%(1/43例)であった。
主な副作用(2例以上に発現)は頭痛が8.6μg群7%(3/44例)、疲労が6.9μg群4%(2/45例)、骨盤痛が12.1μg群9%(4/47例)であった。
死亡例は認められず、重篤な有害事象は10.3μg群に1例(異所性妊娠)認められ、治験担当医師により治験薬との因果関係は否定された。
中止に至った有害事象は、6.9μg群に1例(子宮出血)認められた。

1)GONAL-F. Summary of Product Characteristics.
https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/gonal-f-epar-product-information_en.pdf(2021年9月時点)

国内及び海外の用量反応試験結果
国内第Ⅱ相試験(6、9又は12μg/日)及び海外第Ⅱ相試験(5.2、6.9、8.6、10.3、又は12.1μg/日)において、平均採卵数に統計的に有意な用量反応関係が認められた。これらの結果から、国内第Ⅲ相試験(STORK)及び海外第Ⅲ相試験(ESTHER-1)では、本剤の血清AMH値及び体重に基づく個別化用量を設定した。

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