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レコベル®皮下注ペン 海外第Ⅲ相臨床試験【ESTHER-2試験】

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海外第Ⅲ相試験【ESTHER-2試験】には一部承認外の用量が含まれますが、承認時評価資料のため掲載します。

海外第Ⅲ相試験【ESTHER-2試験】

社内資料:海外第Ⅲ相試験(ESTHER-2試験、CTD2.7.6.9)[承認時評価資料]

試験概要

目的
IVF/ICSIを受ける女性を対象に、調節卵巣刺激周期法を反復した際(以下、反復COS周期)の抗卵胞刺激ホルモン(FSH)抗体の有無及びその中和活性に基づき、レコベル及びホリトロピン アルファ(遺伝子組換え(以下、ホリトロピン アルファ))の免疫原性を評価する。
試験デザイン
実薬対照、評価者盲検、並行群間比較、国際共同、多施設共同試験
対象
海外第Ⅲ相試験【ESTHER-1試験】におけるIVF/ICSIのためのCOS周期1で継続妊娠が得られなかった非日本人女性513例
試験方法
海外第Ⅲ相試験【ESTHER-1試験】のCOS周期1において継続妊娠が得られなかった被験者を対象としてCOS周期2を開始した。COS周期2において継続妊娠が得られなかった被験者を対象としてCOS周期3を開始した。各被験者への投与は、海外第Ⅲ相試験【ESTHER-1試験】で割付けられた投与群を継続した。
先行COS周期で目標とする卵巣反応(採卵数8~14個)が得られた場合は、先行COS周期でのレコベルの1日用量及びホリトロピン アルファの開始用量を次のCOS周期でも維持した。一方、先行COS周期での採卵数が4個未満又は4~7個であった場合は、次のCOS周期の1日用量を増量し、採卵数が15~19個又は20個以上認められた場合は、次のCOS周期の1日用量を減量した。
レコベルの1日用量は刺激期間を通して固定し、ホリトロピン アルファの1日用量は刺激開始から5日間は開始用量※1を投与し、それ以降は卵巣反応に応じて75IU単位で調節した(ホリトロピン アルファ75IUは5.5μgに相当する1))。
1日最高用量は、レコベルではCOS周期2で18μg、COS周期3で24μgとし、ホリトロピン アルファでは450IUとした。各群の投与期間は最長20日間とした。

併用薬の投与を含めた試験デザインを以下に示す。
試験デザイン
評価項目
(1)安全性
 
 
 
<主要評価項目>
反復COS周期(COS周期2、COS周期3)後にrFSH製剤投与により抗FSH抗体が発現した被験者の割合
 
 
<副次評価項目>
  • ・各COS周期の副作用の発現割合
  • ・全卵巣過剰刺激症候群※7及び/又は早期発症型卵巣過剰刺激症候群に対する予防的介入※8の発現割合 等
 
 
(2)有効性
 
 
 
<副次評価項目>
  • ・各COS周期の採卵数
  • ・各COS周期の採卵数が4未満、4~7、8~14、15~19、及び20個以上であった被験者の割合 等
解析計画
最大2回の反復COS周期において、いずれかの評価時点でrFSH製剤により抗FSH抗体が1回以上発現した被験者の割合、及びClopper-Pearson正確信頼区間の両側95%信頼区間(CI)を算出した。
rFSH製剤により抗FSH中和抗体を発現した被験者の割合を同様の方法で求めた。さらにそれぞれのCOS周期における抗FSH抗体及び抗中和抗体を発現した被験者の割合を求めた。
 
 

※1:先行COS周期での卵巣反応により、下記の通り開始用量を設定した。

  • ・採卵数8~14個:先行COS周期と同用量
  • ・採卵数4個未満又は4~7個:先行COS周期から増量
  • ・採卵数15~19個又は20個以上:先行COS周期から減量

※2:刺激1及び6日目、その後は少なくとも隔日に実施し、15mm以上の大きさの卵胞が確認された時点で、毎日来院することとした。

※3:直径が17mm以上の卵胞が3個以上みられた時点でヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)又はGnRHアゴニストを投与し、卵胞最終成熟の誘起を行った。

※4:卵巣反応不良(刺激20日目までに直径が17mm以上の卵胞が3個以上見られない)又は卵巣反応過剰(直径12mm以上の卵胞が25個を超える)の場合には、周期を中止した。なお、直径12mm以上の卵胞が25~35個認められる場合には、GnRHアゴニストを投与してもよいこととした。

※5:採卵翌日からβhCG検査来院日まで黄体期管理のためプロゲステロン腟錠100mgを1日3回投与した(プロゲステロン腟錠の用法及び用量:プロゲステロンとして1回100mgを1日2回又は3回、採卵日(又はホルモン補充周期下での凍結胚移植ではエストロゲン投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点)から最長10週間(又は妊娠12週まで)腟内に投与する)。

※6:採卵後5日目に最も良好な胚盤胞を移植した。なお、COS周期2では質の良い胚盤胞(グレード3BB以上)が得られた場合は単一胚盤胞移植、得られなかった場合は胚盤胞を2個移植し、COS3周期では胚盤胞の質に関わらず2個移植した。

※7:早期(誘起後9日以内)及び晩期(誘起後9日を超える)発症型の卵巣過剰刺激症候群

※8:早期発症型卵巣過剰刺激症候群に対する予防的介入を以下の通り定義した。

  • ・卵巣反応過剰(直径12mm以上の卵胞が25個以上認められた場合)による周期の中止
  • ・GnRHアゴニストによる卵胞最終成熟の誘起(直径12mm以上の卵胞が25~35個認められた場合)
  • ・ドパミンアゴニストの投与(12mm以上の卵胞が20個以上ある被験者への予防的介入としてのみ検討する)

国内における用法及び用量は以下のとおりである。

6. 用法及び用量

通常、ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)として、投与開始前の血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)値及び体重に基づき、下表に従い算出した投与量を、月経周期2日目又は3日目から1日1回皮下投与し、卵胞が十分に発育するまで継続する。なお、下表に従い算出した投与量が6μgを下回る場合は6μgを、12μgを上回る場合は12μgを、1日あたりの投与量とする。

6.用法及び用量

安全性

1)最大2回の反復COS周期終了後のrFSH製剤投与により発現した抗FSH抗体(主要評価項目、安全性解析対象集団)

反復COS周期を通して同一被験者に2回検出された場合、rFSH製剤投与による抗FSH抗体は1回の発現として解析した。
COS周期2を実施した被験者(レコベル群252例、ホリトロピン アルファ群261例)における最大2回の反復COS周期終了後(COS周期2及びCOS周期3)にrFSH製剤投与による抗FSH抗体は、レコベル群2例(発現割合:0.79%〔95%CI(0.10,2.84)〕)及びホリトロピン アルファ群1例(発現割合:0.38%〔95%CI(0.01,2.12)〕)で認められた。COS周期3では新たにrFSH製剤投与による抗FSH抗体が認められた被験者はなかった。

※:exact Clopper-Pearsonの信頼区間

rFSH製剤投与による抗FSH抗体の累積発現割合(反復COS周期後)

rFSH製剤投与による抗FSH抗体の累積発現割合(反復COS周期後)

95%CIはexact Clopper-Pearsonの信頼区間

2)副作用の発現割合(副次評価項目)

COS周期2(安全性解析対象集団)

COS周期2の副作用の発現割合は、レコベル群10.3%(26/252例)、ホリトロピン アルファ群13.8%(36/261例)であった。
主な副作用は、頭痛がレコベル群3.2%(8/252例)、ホリトロピン アルファ群3.8%(10/261例)、骨盤不快感がそれぞれ2.0%(5/252例)及び2.3%(6/261例)、骨盤痛がそれぞれ1.6%(4/252例)及び1.5%(4/261例)、子宮付属器痛がそれぞれ2.0%(5/252例)及び1.9%(5/261例)、悪心がそれぞれ1.2%(3/252例)及び2.3%(6/261例)、卵巣過剰刺激症候群がホリトロピン アルファ群で2.3%(6/261例)、疲労がホリトロピン アルファ群で1.5%(4/261例)であった。
死亡例は認められず、重篤な副作用はホリトロピン アルファ群に1例(卵巣過剰刺激症候群)認められた。
中止に至った副作用は、ホリトロピン アルファ群2例(いずれも卵巣過剰刺激症候群)に認められた。

COS周期3(安全性解析対象集団)

COS周期3の副作用の発現割合は、レコベル群6.3%(6/95例)、ホリトロピン アルファ群10.8%(10/93例)であった。
レコベル群の主な副作用(全副作用が1%以上)は、子宮付属器痛2.1%(2/95例)、頭痛、卵巣過剰刺激症候群、乳頭痛、子宮ポリープが各1.1%(1/95例)であった。ホリトロピン アルファ群の主な副作用は疲労、味覚不全、頭痛、骨盤不快感が各2.2%(2/93例)、便秘、子宮付属器痛、卵巣嚢胞が各1.1%(1/93例)であった。
死亡例は認められず、重篤な有害事象はホリトロピン アルファ群で1例(卵巣過剰刺激症候群)認められた。中止に至った副作用はレコベル群1例(卵巣過剰刺激症候群)に認められた。

3)全卵巣過剰刺激症候群及び/又は早期発症型卵巣過剰刺激症候群に対する予防的介入の発現割合(副次評価項目、安全性解析対象集団)

発現した卵巣過剰刺激症候群を系統的に分類するためGolan分類を適用した(Golan分類についてはこちらを参照)。
COS周期2の全卵巣過剰刺激症候群の発現割合はレコベル群1.2%(3/252例)、ホリトロピン アルファ群1.2%(3/261例)であった。COS周期3ではそれぞれ2.1%(2/95例)及び1.1%(1/93例)であった。
全卵巣過剰刺激症候群及び/又は早期発症型卵巣過剰刺激症候群に対する予防的介入を行った被験者の割合は、COS周期2ではレコベル群2.4%(6/252例)、ホリトロピン アルファ群4.2%(11/261例)、COS周期3ではそれぞれ2.1%(2/95例)及び2.2%(2/93例)であった。中等度/重度の全卵巣過剰刺激症候群及び/又は早期発症型卵巣過剰刺激症候群に対する予防的介入を行った被験者の割合は、COS周期2ではレコベル群1.6%(4/252例)、ホリトロピン アルファ群4.2%(11/261例)、COS周期3ではそれぞれ0.0%(0/95例)及び2.2%(2/93例)であった。

有効性

1)採卵数(副次評価項目、mITT)

COS周期2の全被験者の採卵数(平均値±標準偏差)は、レコベル群8.8±5.0個、ホリトロピン アルファ群8.2±4.5個であった。
COS周期3の全被験者の採卵数(平均値±標準偏差)は、レコベル群8.0±4.2個、ホリトロピン アルファ群8.6±4.4個であった。

COS周期2及び3の採卵数

COS周期2及び3の採卵数

2)採卵数の分布(副次評価項目、mITT)

COS周期2において目標とする卵巣反応(採卵数8~14個)が得られた被験者の割合はレコベル群45.3%、ホリトロピン アルファ群45.2%であった。採卵数が4個未満の被験者の割合はそれぞれ9.7%及び13.4%、4~7個の被験者の割合はそれぞれ30.4%及び32.2%、15~19個の被験者の割合はそれぞれ10.9%及び8.0%、20個以上の被験者の割合は3.6%及び1.1%であった。
COS周期3において目標とする卵巣反応(採卵数8~14個)が得られた被験者の割合はレコベル群47.9%、ホリトロピン アルファ群48.9%であった。採卵数が4個未満の被験者の割合はそれぞれ13.8%及び12.0%、4~7個の被験者の割合はそれぞれ30.9%及び29.3%、15~19個の被験者の割合はそれぞれ6.4%及び6.5%、20個以上の被験者の割合は1.1%及び3.3%であった。

採卵数の分布:COS周期2

採卵数の分布:COS周期2

採卵数の分布:COS周期3

採卵数の分布:COS周期3

国内における用法及び用量に関連する注意(一部抜粋)及び重要な基本的注意(一部抜粋)は以下のとおりである。

7. 用法及び用量に関連する注意(一部抜粋)

7.1 血清AMH値のng/mLからpmol/Lへの換算式は以下のとおりである。
ng/mL×7.14=pmol/L
(参考:血清AMH値(ng/mL)に基づく1日あたりの投与量)

7.1 血清AMH値のng/mLからpmol/Lへの換算式

7.3 本剤投与時に卵巣反応が不良又は過剰(卵巣過剰刺激症候群又は卵巣過剰刺激症候群の徴候が認められた場合を含む)が認められた患者における調節卵巣刺激には、他剤の使用を考慮すること。

8. 重要な基本的注意(一部抜粋)

8.2 調節卵巣刺激をする際に卵巣への刺激が過剰になることがある。
以下の点に留意し、卵巣過剰刺激症候群の発現が予想された場合は、本剤の投与を中断し、少なくとも4日間は性交を控え、避妊するように指導すること。

  • ・患者の自覚症状の有無(初期の警告的な徴候として、重度の骨盤痛、悪心及び嘔吐)
  • ・急激な体重増加の有無(初期の警告的な徴候)
  • ・卵巣腫大の有無(内診の他、超音波検査、血清エストラジオール値検査等)

卵巣過剰刺激症候群は本剤投与終了後に発現し、急速に(24時間から数日以内)進行して重篤化することがあるため、投与後少なくとも2週間の経過観察が必要である。多くの場合、投与後7日から10日経過した時期に最も症状が重くなる。通常、月経開始とともに自然に解消するが、妊娠した場合は、より重度になる。[1.、11.1.1参照]

1)GONAL-F. Summary of Product Characteristics.
https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/gonal-f-epar-product-information_en.pdf(2021年9月時点)

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