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最新学術情報

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弊社製品領域の最新情報を論文等から紹介しています。特定の薬剤/システムの処方/使用誘因あるいは企業の営利を企図するものではなく、
また国内での承認外の情報を一部含んでおりますがこれを推奨するものではありません。薬剤の使用にあたっては最新の添付文書をご参照ください。


NEW
卵胞フラッシングは生産を改善せず、手技時間は延長する:無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス
Follicle flushing does not improve live birth and increases procedure time: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

Martini AE, Dunn A , Wells L, Rollene N, Saunders R, Healy MW, Terry N, DeCherney A, Hill MJ
Fertil Steril 2021年 115巻 4号 974〜983

採卵時の卵胞フラッシングは卵子の残留リスクを低下させる可能性があるとされている。しかし、2018年のコクランレビューでは、卵巣反応が正常または低い女性の採卵数や生産率は卵胞フラッシングで改善しなかったと報告されている。本研究では、情報を更新して卵胞フラッシングの影響を検討するため、2020年5月までに報告された持続吸引と卵胞フラッシングの無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。特定された199件中11件(1,178例)を解析対象とした。主要評価項目は生産率、副次評価項目は臨床妊娠率、継続妊娠率、採卵数、MⅡ卵子数、手技時間とした。ランダム効果モデルで解析した結果、生産率(リスク比1.03、95%信頼区間0.79~1.34、5件)、臨床妊娠率(1.04、0.77~1.40、5件)、継続妊娠率(1.08、0.75~1.57、3件)に群間で有意差はみられなかった。一方、卵胞フラッシングは持続吸引と比べて採卵数(平均差-0.59、95%信頼区間-0.95~-0.23、p=0.001、11件)、MⅡ卵子数(-0.36、-0.71~-0.01、p=0.04、7件)が有意に少なかった。また、手技時間は持続吸引と比べて卵胞フラッシングで有意に長く(平均差4.10、95%信頼区間2.54~5.66、p=0.00001、9件)、卵巣反応が正常な女性では平均9分、卵巣反応が低い女性では平均2分延長した。卵巣反応、卵胞フラッシングの回数、フラッシング液の容量、ダブルルーメンニードルなどに関する感度分析の結果も同様であったが、例外として、卵巣反応が低い女性に限定した場合、採卵数およびMⅡ卵子数の群間の有意差はみられなくなった。以上の結果から、ARTにおける卵胞フラッシングの使用は支持されないと考えられた。なお、自然周期または低刺激IVF周期を解析対象としていなかったため、これらの患者に対する卵胞フラッシングの有用性については今後の課題である。

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NEW
臨床で使用する胚のランキングシステムを策定するためのモザイク胚移植1,000例の転帰データの利用
Using outcome data from one thousand mosaic embryo transfers to formulate an embryo ranking system for clinical use

Viotti M, Victor AR, Barnes FL, Zouves CG, Besser AG, Grifo JA, Cheng EH, Lee MS, Horcajadas JA, Corti L, Fiorentino F, Spinella F, Minasi MG, Greco E, Munné S
Fertil Steril 2021年 115巻 5号 1212〜1224

着床前スクリーニング(PGT-A)を用いたモザイク胚の評価法が提案されているが、生検および解析の技術的な問題に対する懸念があり、臨床転帰のデータは限られている。本研究では、モザイク胚のレベルと種類、その臨床転帰への影響を検討し、胚のランキングシステムを策定するため、2015年1月~2020年4月に多施設においてPGT-Aと凍結胚移植を施行した女性のeuploid胚盤胞5,561個、モザイク胚盤胞1,000個のデータ解析を行った。栄養外胚葉検体におけるaneuploid細胞の割合、染色体異常の種類[segmental、whole-chromosome、染色体異常の本数(1本:1 Chr、2本:2Chr、3本以上:複合型)]によりモザイク胚を分類した。euploid胚は、すべてのモザイク胚またはwhole-chromosomeモザイク胚(517個)と比べ、着床率(57.2% vs 46.5%、41.8%、p<0.0001)、継続妊娠率または生産率(52.3% vs 37.0%、31.3%、p<0.0001)が有意に高く、自然流産率(8.6% vs 20.4%、25.0%、p<0.0001)が有意に低かった。whole-chromosomeモザイク胚については、モザイク胚のレベルと臨床転帰に線形性がみられ、aneuploid細胞の割合が50%未満は、50%以上と比べ、着床率(44.5% vs 30.4%、p<0.01)、継続妊娠率または生産率(36.1% vs 19.3%、p<0.001)が有意に高かった。染色体異常の種類も臨床転帰と有意に関連し、segmentalモザイク胚(483個)、1 Chrモザイク胚(267個)、2 Chrモザイク胚(125個)、複合型モザイク胚(125個)の着床率は51.6%、46.4%、43.2%、30.4%、継続妊娠率または生産率は43.1%、34.8%、34.4%、20.8%であった。モザイク胚のレベルと種類に加え、胚の形態(ステージ、内細胞塊グレード、栄養外胚葉グレード)を組み合わせたところ、臨床転帰が良好となる胚のランキングを示すことが可能であった。

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男性因子のみのIUI治療においては調節性卵巣刺激を併用すべきではない:後方視的研究
Controlled ovarian stimulation should not be preferred for male infertility treated with intrauterine insemination: a retrospective study

Tang Y, He QD, Zhang TT, Wang JJ, Huang SC, Ye Y
Reprod Biol Endocrinol 2021年 19巻 1号 45

男性不妊においてIUIは有効な治療法であり、使用頻度が高い。調節卵巣刺激との併用で妊娠率が上昇する可能性が報告されているが、自然周期でのIUIを第一選択にするべきとの提案もある。本研究では、男性不妊に対する調節卵巣刺激周期でのIUIの有効性を検討するため、2010年1月~2020年2月に中国の1施設で治療した男性不妊カップル307組(女性:平均31.0±4.8歳、男性:平均33.2±5.4歳)のIUI 601サイクル(自然周期425サイクル、調節卵巣刺激周期176サイクル)を対象とする後方視的研究を行った。調節卵巣刺激は以下のいずれかを施行した。1)Day 3~5からクロミフェン50~100mg/日またはletrozole 2.5~5mg/日を5日投与、2)Day 3~5からhMGまたはFSH 37.5~75IU/日を投与、3)Day 3~5からクロミフェンまたはletrozoleを5日投与後、hMGまたはFSHを投与。調節卵巣刺激周期および自然周期の両方において少なくとも1個の卵胞が18mm以上に到達した時点でトリガーのhCG 5,000~10,000IUまたはtriptorelin 0.1mgを投与し、36~40時間後にIUIを施行した。調節卵巣刺激周期と自然周期の臨床妊娠率(13.1% vs 12.2%)、生産率(11.9% vs 11.1%)、自然流産率(8.7% vs 5.8%)に有意差はみられなかった。調節卵巣刺激周期での発育卵胞が1個の93サイクル、2個以上の83サイクルにおける臨床妊娠率(11.8%、14.5%)、生産率(10.8%、13.3%)、自然流産率(9.1%、8.3%)も自然周期の成績と同等であった。しかし、調節卵巣刺激周期は自然周期と比べて多胎妊娠率が高い傾向があり(8.7% vs 0%、p=0.091)、発育卵胞が2個以上の調節卵巣刺激周期で有意に高かった(16.7% vs 0%、p=0.033)。以上の結果から、男性不妊のIUI治療において調節卵巣刺激を施行するべきではないと考えられた。調節卵巣刺激が必要な場合、母体と胎児の安全性を考慮し、1個の発育卵胞で1児を得ることを目標としなければならない。

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不妊治療と癌-永遠の謎:システマティックレビューとメタアナリシス
Fertility treatment and cancers-the eternal conundrum: a systematic review and meta-analysis

Barcroft JF, Galazis N, Jones BP, Getreu N, Bracewell-Milnes T, Grewal KJ, Sorbi F, Yazbek J, Lathouras K, Smith JR, Hardiman P, Thum MY, Ben-Nagi J, Ghaem-Maghami S, Verbakel J, Saso S
Hum Reprod 2021年 36巻 4号 1093〜1107

不妊症を含む未経産は、乳癌、子宮体癌、卵巣癌の危険因子である。また、乳癌と子宮体癌はエストロゲンの動態と関連し、不妊治療の調節卵巣刺激は卵巣癌の病因になると考えられている。本研究では、不妊治療が発癌のリスクを上昇させるかを検討するため、2019年12月までに公表された関連研究のシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。不妊治療群と対照群の発癌頻度を比較した研究128件のうち、不妊治療としてクロミフェン、hMG、GnRH、ゴナドトロピン、プロゲステロン、IVF/ICSIを使用した29件(乳癌19件、卵巣癌19件、子宮体癌15件、子宮頸癌13件)の21,070,337例のデータを解析対象とした。ランダム効果モデルを用いた解析の結果、不妊治療群は対照群と比べて子宮頸癌の頻度が有意に低く(オッズ比0.68、95%信頼区間0.46~0.99)、乳癌(0.86、0.73~1.01)、子宮体癌(1.28、0.92~1.79)、卵巣癌(1.19、0.98~1.46)の頻度に群間で有意差はみられなかった。なお、非不妊女性を対照群とした研究を除外した解析では、これらの発癌頻度に群間で有意差はみられなかった。ただし、卵巣境界悪性腫瘍の頻度は対照群と比べて不妊治療群で有意に高かった(1.69、1.27~2.25)。また、不妊治療のサブグループ解析を行ったところ、卵巣癌の頻度は対照群と比べてクロミフェン(1.40、1.10~1.77)、IVF(1.32、1.03~1.69)の使用者で有意に高かった。乳癌の頻度は対照群と比べてhMG(0.44、0.20~0.98)、IVF(0.75、0.61~0.92)の使用者で有意に低かった。子宮頸癌の頻度は対照群と比べてIVF(0.58、0.38~0.89)の使用者で有意に低かった。これら以外に不妊治療と癌との有意な関連はみられなかった。以上の結果から、発癌頻度に対する不妊治療の影響は、癌および不妊治療の種類により異なることが示唆された。クロミフェンやIVFの使用下では、複数の卵胞形成や機械的外傷を起こし、卵巣癌の悪性転化のリスクが高くなると考えらえる。ただし、研究間の異質性が高いため、結果の解釈には注意が必要である。

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日本のIVF/ICSI患者におけるfollitropin deltaの個別化投与は卵巣過剰刺激症候群のリスクを低下させる
Individualized follitropin delta dosing reduces OHSS risk in Japanese IVF/ICSI patients: a randomized controlled trial

Ishihara O, Arce JC , Japanese Follitropin Delta Phase 3 Trial (STORK) Group
Reprod Biomed Online 2021年 42巻 5号 909〜918

従来の卵巣刺激法による卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクを低下させる方法の一つは全胚凍結であるが、妊娠に至るまでに時間がかかる。新鮮胚移植を行う場合には、生産率に悪影響を及ぼさない限り、OHSSのリスクが低い卵巣刺激法が望ましい。本研究では、follitropin deltaの個別化投与の有効性と安全性を評価するため、2017年7月~2019年7月に日本の17施設においてIVF/ICSIを初めて施行する女性347例を対象とした評価者盲検無作為化比較非劣性試験を行った。Day 2~3から試験群の170例(平均34.2±3.5歳)には、AMH値と体重に基づき、follitropin deltaの個別化固定用量(AMH値15pmol/L未満:12μg/日、15pmol/L以上:0.10~0.19μg/kg/日、6~12μg/日)を皮下投与した。対照群の177例(平均34.0±3.4歳)には、follitropin beta 150IU/日を5日間投与し、卵巣反応に応じて用量を調節した。両群ともDay 6からGnRHアンタゴニスト0.25mg/日を投与し、3個以上の卵胞が17mm以上に到達した時点でトリガーのhCG 5,000IUを投与した。採卵後、IVF/ICSIを施行し、新鮮胚盤胞移植を行った。黄体補充としてプロゲステロン腟錠100mgを1日3回投与した。主要評価項目の平均採卵数は試験群で9.3個、対照群で10.5個であり(平均差-1.2、95%信頼区間-2.3~-0.1)、follitropin delta個別化固定用量の非劣性が認められた。また、試験群は対照群と比べて全グレードのOHSS(11.2% vs 19.8%、p=0.021:尤度比χ二乗検定)、中等症~重症OHSS(7.1%vs 14.1%、p=0.027:尤度比χ二乗検定)の発現率が有意に低かった。なお、開始周期あたりの生産率は、試験群で23.5%、対照群で18.6%であった(群間差4.9、95%信頼区間-3.7~13.4)。以上の結果から、日本人女性においてfollitropin deltaの個別化投与は、ベネフィット・リスクプロファイルが良好であることが示唆された。

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卵巣反応が低い高齢患者では高プロゲステロンレベル下での排卵誘発がより適している可能性がある
Ovulation induction with high progesterone levels may be more suitable for elderly patients with low ovarian response

Mu Z, Sa Y, Sun Z, Yi Y
J Gynecol Obstet Hum Reprod 2021年 50巻 2号 101661

卵巣反応が低い高齢女性には、GnRHアゴニストを用いたウルトラショート法が長年使用されてきたが、近年、progestin-primed ovarian stimulation(PPOS)法が使用され始めた。PPOS法では、E2値が上昇する前にプロゲステロン(P4)を投与するため、ポジティブフィードバックを遮断し、早発LHサージを抑制することが報告されている。本研究では、ウルトラショート法とPPOS法の有効性を比較するため、2015年1月~2018年5月に中国の1施設においてIVF/ICSI-ET周期でウルトラショート法を施行し、その後の周期でPPOS法を施行した40歳を超える低卵巣反応の女性117例(平均42.02±2.76歳)を対象とする自己対照後方視的研究を行った。ウルトラショート法では、Day 3からtriptorelin 100μg/日を注射し、hMG 150~225IU/日を注射した。PPOS法では、Day 3からメドロキシプロゲステロン酢酸エステル4mg/日または10mg/日の経口投与、hMG 150~225IU/日の投与を行った。主席卵胞が18mmに到達した時点でトリガーのhCG 10,000IUを投与した。ゴナドトロピンの投与期間や総投与量にプロトコール間で有意差はみられなかった。PPOS法では、ウルトラショート法と比べ、トリガー投与日に14mmを超える卵胞の個数(4.83個 vs 3.25個、p<0.01)、採卵数(4.29個 vs 2.76個、p=0.02)が有意に多く、良好胚の割合[38.61%(100/259個) vs 32.02%(65/203個)、p=0.02]、臨床妊娠率[32.35%(33/102サイクル) vs 25.53%(24/94サイクル)、p=0.04]、生産率[27.45%(28/102サイクル) vs 21.28%(20/94サイクル)、p=0.04]が有意に高かった。流産率はプロトコール間で有意差がみられなかった[15.15%(5/33サイクル) vs 16.67%(4/24サイクル)、p=0.32]。以上の結果から、卵巣反応が低い高齢女性においてPPOS法は新たな卵巣刺激法となる可能性が示唆された。

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40歳を超える低卵巣反応女性におけるフレキシブルショート法
A flexible short protocol in women with poor ovarian response over 40 years old

Zhang X, Feng T, Yang J, Hao Y, Li S, Zhang Y, Qian Y
J Ovarian Res 2021年 14巻 1号 3

卵巣反応が低い女性に対し、様々な卵巣刺激法が試みられてきたが、成功率は低く、周期あたりの生産率は約6%と報告されている。本研究では、新しい卵巣刺激法を検討するため、2015年1月~2019年6月に中国の1施設においてIVFを施行した40歳を超える低卵巣反応(POSEIDON基準:AFC<5個、AMH<1.2ng/mL)の女性の488サイクルを対象とする後方視的研究を行った。医師の判断と患者の希望により、卵巣刺激法として、letrozole 2.5~5mg/日を使用した低刺激法175サイクル、ショート法(SP)76サイクル、フレキシブルショート法(FSP)237サイクルを施行した。ショート法では、Day 2からGnRHアゴニスト(triptorelin)0.1mg/日を連日投与し、Day3 からゴナドトロピン150~225IU/日を5日間投与後、卵胞発育に応じて投与量を調節した。FSPでは、Day 3からtriptorelin 0.05mg/日を投与し、E2値が上昇し始め、かつ1個の卵胞が5mm以上になった時点(Day 5~10)でFSH製剤の投与を開始した。トリガーのhCGの投与から36時間後に採卵し、IVF/ISCIを施行後、良好胚の新鮮胚移植または凍結胚移植を行った。FSP群は低刺激群やSP群と比べて卵巣刺激の平均期間が有意に短く(7.47日 vs 9.48日、9.25日、p<0.001)、SP群と比べてゴナドトロピン総投与量の平均値が有意に少なかった(1,669.46IU vs 2,394.74IU、p<0.001)。トリガー投与日の血清LHの平均値は、低刺激群と比べてFSP群で有意に低かった(5.40pg/mL vs 11.04pg/mL p<0.001)。また、FSP群は低刺激群と比べて卵子および胚の質が良好であり、着床率が有意に高く(13.33% vs 5.52%、p=0.008)、累積妊娠率も有意に高かった(25.81% vs 9.28%、p=0.002)。なお、生産率はFSP群で高い傾向を示したが、低刺激群やSP群との有意差はみられなかった(11.49% vs 4.72%、8.77%、p=0.168)。以上の結果から、40歳を超える低卵巣反応女性においてFSPは有用な選択肢の一つであることが示唆された。FSPでは、GnRHアナログを用いた早発LHサージの抑制や、卵胞発育を同期させるFSH製剤投与開始のタイミングにより、低刺激法やSPの欠点を補うと考えられる。

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ESHREガイドライン:IVF/ICSIのための卵巣刺激
ESHRE guideline: ovarian stimulation for IVF/ICSI

The Eshre Guideline Group On Ovarian Stimulation, Bosch E, Broer S, Griesinger G, Grynberg M, Humaidan P, Kolibianakis E, Kunicki M, La Marca A, Lainas G, Le Clef N, Massin N, Mastenbroek S, Polyzos N, Sunkara SK,Timeva T, Töyli M, Urbancsek J, Vermeulen N, Broekmans F
Hum Reprod Open 2020年 2020巻 2号 hoaa009

ARTを行う時には、自然周期で1個の卵を採卵するよりは、さまざまな調節卵巣刺激で5~10個の成熟卵を採卵することが重要である。AMHまたはAFCから予測された卵巣反応が高い女性に対する第一選択は、アンタゴニスト法を用い、ゴナドトロピン150IU、トリガーのGnRHアゴニストを投与し、全胚凍結を行う。卵巣反応が正常な女性に対する第一選択は、アンタゴニスト法を用い、ゴナドトロピン150~225IU、トリガーのhCG 10,000IUまたはrhCG 250μg、黄体補充のプロゲステロン(P4)(筋注、静注、経腟)、ジドロゲステロン(経口)を投与する。卵巣反応が低い女性に対する第一選択は、アンタゴニスト法またはアゴニスト法を用い、ゴナドトロピン150~300IU、トリガーのhCG 10,000IUまたはrhCG 250μg、黄体補充のP4(筋注、静注、経腟)、ジドロゲステロン(経口)を投与する。ゴナドトロピンのrFSHとhMGの使用は同等に推奨される。アゴニスト法では、ゴナドトロピンのrFSHとFSHの使用、rFSHと高純度FSHの使用、高純度FSHとhMGの使用はそれぞれ同等に推奨される。卵巣反応が正常な女性のアンタゴニスト法では、長時間作用型rFSHと1日1回投与のrFSHの使用は同等に推奨される。多嚢胞性卵巣症候群のアンタゴニスト法では、卵巣刺激前または卵巣刺激時のメトホルミンの補助的な使用は推奨されない。卵巣刺激前または卵巣刺激時のアスピリンの補助的な使用は推奨されない。アゴニスト法で卵胞数が18個以上となった場合は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高いため、キャンセルを含む防止法が推奨される。卵巣刺激に対する低反応のみはキャンセルの理由とならない。トリガーのrhCGとhCGの使用は同等に推奨される。黄体補充と新鮮胚移植を行うIVF/ICSI周期におけるトリガーとしてのGnRHアゴニストの使用は推奨されない。OHSSのリスクがある女性のトリガーとしてのGnRHアゴニストの使用は推奨される。IVF/ICSI後の黄体補充としてP4が推奨される。ジドロゲステロンは黄体補充として推奨され得る。晩発性OHSSのリスクを消失させるには全胚凍結が推奨される。

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ARTの採卵あたりの生産率または累積生産率を最大化する最適な採卵数はあるか? システマティックレビュー
Is there an optimal number of oocytes retrieved at which live birth rates or cumulative live birth rates per aspiration are maximized after ART? a systematic review

Law YJ, Zhang N, Kolibianakis EM, Costello MF, Keller E, Chambers GM, Venetis CA
Reprod Biomed Online 2021年 42巻 1号 83〜104

この20年間にARTの成功率は上昇したが、卵巣刺激の程度を問う声が高まっている。本研究では、採卵数と生産率または累積生産率との関連および最適な採卵数を検討するため、2020年1月までに報告されたIVF/ICSIの転帰に関する観察研究のシステマティックレビューを行った。症例対照研究、ケースシリーズ、症例報告、PGTを実施した研究、精子や卵子の提供を含む研究は除外した。MEDLINE、Embase、Scopus、CINAHL、Web of Scienceを検索した結果、6,174件のうち、2011~2019年に報告された16件の後方視的コホート研究を対象とした。このうち5件は新鮮胚移植周期の生産率、5件は卵巣刺激周期あたりの累積生産率、6件はその両者を評価していた。採卵数と新鮮胚移植周期の生産率との関連については、11件中2件が正の相関を示し、全般的に採卵数がプラトーに到達するまで生産率が上昇していた。新鮮胚移植周期の最適な採卵数については、15個を含む範囲が最も多く報告されており、生産率を最大化する最適な採卵数は12~18個にあると考えられた。ただし、採卵数が15個、18個、25個以上などの場合、卵巣過剰刺激症候群の発現が有意に増加すると報告されており、新鮮胚移植周期での生産を希望する患者においては採卵数の増加によるリスクとベネフィットを認識する必要がある。採卵数と卵巣刺激周期あたりの累積生産率との関連については、11件中7件が正の相関を示し、その他はそれぞれの採卵数で累積生産率がプラトーに到達していた。累積生産率に関する最適な採卵数については、研究によって異なり、10個、10~12個、10~14個、15個、15~20個などと報告されていた。また、年齢別では、18~34歳で25個、35~44歳で30個以上、45歳以上で約9個との報告もみられた。したがって、累積生産率を最大化する最適な採卵数について一致した見解は得られなかった。

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凍結胚移植周期に使用した4種類のプロゲステロン腟剤別の血清プロゲステロン値と妊娠転帰
Serum progesterone levels with the use of four different types of vaginal progesterone in frozen-thawed embryo transfer cycles and related pregnancy outcomes

Shiba R, Kinutani M, Okano S, Ikeda M, Fukunaga E, Harada Y, Kawano R, Kikkawa Y
Int J Fertil Steril 2021年 15巻 1号 34〜39

天然型プロゲステロン(P4)腟剤は、使用が簡便であり、P4が子宮内膜へ容易に到達することから、選択される機会が増加している。一方、妊娠に必要な血清P4値は確立されていない。本研究では、凍結胚移植ホルモン補充(FET-HRT)周期の黄体補充としてP4腟剤を使用した女性の胚移植時の血清P4値と妊娠転帰との関連を検討するため、4種類のP4腟剤(Lutinus、Utrogestan、Luteum、Crinone)を比較した国内の単施設無作為化比較試験(EXCULL)の二次解析を行った。P4腟剤の用法用量は、Lutinusが100mg 1日3回、Utrogestanが200mg 1日3回、Luteumが400mg 1日2回、Crinoneが90mg 1日1回であった。FET-HRT周期235サイクルを対象とし、胚移植日の血清P4値が7.8ng/mL未満のQ1群59サイクル、7.8~10.8ng/mLのQ2群59サイクル、10.8~13.7ng/mLのQ3群59サイクル、13.7ng/mL超のQ4群58サイクルの4群に分けた。UtrogestanおよびCrinoneの使用率はQ1群で高く、LutinusおよびLuteumの使用率はQ4群で高かった。P4腟剤別にみた胚移植日の血清P4の平均値は、Lutinus(63サイクル)の13.3±4.9ng/mL、Luteum(56サイクル)の13.6±4.2ng/mLと比べ、Utrogestan(60サイクル)で9.3±3.3ng/mL、Crinone(56サイクル)で8.7±3.2ng/mLと有意に低かった(p<0.001)。年齢、BMI、移植胚を共変数とした多重ロジスティック回帰分析の結果、血清P4値は、臨床妊娠率、胎児心拍陽性率、生産率、流産率との有意な関連を示さなかった。以上の結果から、FET-HRT周期に使用したP4腟剤の種類により胚移植日の血清P4値は異なるが、血清P4値は妊娠転帰と関連しないことが示唆された。P4の経腟投与は筋注と比べて血清P4値が低いものの、子宮内膜P4値が高いことが報告されており、血清P4値に基づいて投与量を増減する必要はないと考えられる。

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