機序1)
FSHは、顆粒膜細胞に発現するFSH受容体に結合してエストロゲンの合成を促進し、卵胞の発育及び卵母細胞の成熟に寄与する。
FSH受容体の放射性リガンドを用いた結合試験(in vitro)2)
ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)の同族受容体への親和性をラジオレセプターアッセイにより検討した。この試験に用いた膜受容体はヒトFSH受容体(hFSH-R)が安定して発現しているヒト胎児由来腎臓(HEK)293細胞から調製した。この膜受容体に対する親和性をホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)と同じ条件で比較したところ、両薬の阻害定数(Ki)値は以下の通りであった。親和性の値は生理的受容体リガンドの範囲内であった。
ヒト受容体への特異的結合
KD:Dissociation constant(解離定数)
Ki:Inhibition constant(阻害定数)
アッセイによる効力比較(in vitro)2)
ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)のヒト受容体活性化能をhFSH-Rを発現している遺伝子導入細胞(HEK293細胞)を用い、環状アデノシン一リン酸(cAMP)産生を測定して、ホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)と比較検討した。
HEK293細胞のcAMP反応は用量依存的であり、平行線定量法を用いて両薬の比活性を解析したところ、ホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)は89%〔80-99%〕、ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)は85%〔79-92%〕であった。
細胞を用いたin vitro試験で評価したホリトロピン デルタ及びホリトロピン アルファの相対効力
値は2つの独立した実験結果の平均値を示す。
1)Levin ER. et al.:Goodman and Gilman’s the Pharmacological Basis of Therapeutics, 2018; 803-831.
2)社内資料:薬理試験(CTD2.6.2)