2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)(抜粋)
2.3 心不全又はその既往歴あるいはその疑いがある患者[低ナトリウム血症が発現しやすい。また、心不全が増悪又は発現するおそれがある。]
11.1 重大な副作用(抜粋)
11.1.2 うっ血性心不全(頻度不明)
うっ血性心不全の初期症状(下腿浮腫、急激な体重増加、労作時息切れ、起座呼吸など)の発現に注意し、これらの症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。うっ血性心不全が認められた患者では、投与を再開しないこと。
解説
国内臨床試験では、うっ血性心不全の発現は認められていません。
海外において、夜間頻尿の患者に本剤を投与した場合にうっ血性心不全が発現したとの報告があります。
夜間多尿による夜間頻尿を有する患者は高齢である場合が多く、高齢者では一般的に心予備能が低下しており、うっ血性心不全が発現しやすいこと、また本剤の薬理作用からうっ血性心不全が発現する可能性を否定できません。患者の状態を注意深く観察してください。
初期症状
下腿浮腫、急激な体重増加、労作時息切れ、起座呼吸など
予防方法
- 定期的な体重測定を行うよう指導する。
- 患者が他の診療科や医療施設を受診する際は、本剤を投与中であることを医師・薬剤師に伝えるよう指導する。
対処
- 症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- うっ血性心不全が認められた患者では、投与を再開しない。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.8 高齢者
患者の状態を勘案してデスモプレシンとして25μgから投与を開始することも十分に検討すること。
また、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。低ナトリウム血症が発現しやすい傾向がある。