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ミニリンメルト®OD錠50μg/25μg
安全性:重大な副作用 低ナトリウム血症

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1. 警告
本剤の抗利尿作用により過剰な水分貯留に伴う低ナトリウム血症を引き起こす可能性があり、また、デスモプレシン酢酸塩水和物を使用した患者で重篤な低ナトリウム血症による痙攣が報告されていることから、患者及びその家族に対して、水中毒(低ナトリウム血症)が発現する場合があること、水分摂取管理の重要性について十分説明・指導すること。

2. 禁忌(次の人には投与しないこと)(抜粋)

2.1 低ナトリウム血症の患者又はその既往歴のある患者[低ナトリウム血症が増悪又は発現するおそれがある。]

2.2 習慣性又は心因性多飲症の患者(尿生成量が40mL/kg/24時間を超える)[低ナトリウム血症が発現しやすい。]

2.3 心不全又はその既往歴あるいはその疑いがある患者[低ナトリウム血症が発現しやすい。また、心不全が増悪又は発現するおそれがある。]

2.4 利尿薬による治療を要する体液貯留又はその既往歴のある患者[低ナトリウム血症が発現しやすい。]

2.5 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の患者[低ナトリウム血症が発現しやすい。]

11.1 重大な副作用(抜粋)
11.1.2 低ナトリウム血症(0.8%)
低ナトリウム血症による脳浮腫、昏睡、痙攣等の重篤な水中毒症状があらわれることがある。異常が認められた場合には投与を中止して、水分摂取を制限し、必要な場合は対症療法を行うなど、患者の状況に応じて処置すること。低ナトリウム血症が認められた患者では、投与を再開しないこと。

解説

国内臨床試験では、臨床症状を伴う重篤な低ナトリウム血症は認められていませんが、本剤の抗利尿作用により過剰な水分貯留に伴う低ナトリウム血症を引き起こす可能性があります。また、海外において本剤を使用した患者で重篤な低ナトリウム血症による痙攣が報告されていることから、患者及びその家族に対し、水中毒が発現する場合があること、水分摂取管理の重要性について十分説明・指導してください。

水中毒について

症状

一般的に血清ナトリウム濃度が120mEq/L以下、血漿浸透圧が250mOsm/kg以下に低下すると、全身倦怠感、食欲不振、頭痛、悪心、嘔吐、無気力、傾眠等の症状があらわれ、血清ナトリウム濃度が110mEq/L以下、血漿浸透圧が230mOsm/kg以下になると昏迷、昏睡、痙攣等が起こるといわれている1)

予防方法

  • 過度の飲水を避け、点滴等による水分摂取にも注意する。
  • ミニリンメルト®OD錠50μg/25μgの投与開始前に血清ナトリウム値の測定を行い、投与の適否を判断する。
  • ミニリンメルト®OD錠50μg/25μg投与量を厳守する。
  • 患者及びその家族に水分摂取管理の重要性について十分説明・指導する。
  • 過度に飲水してしまった場合、ミニリンメルト®OD錠50μg/25μgの投与を行わない。
  • 水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合は、直ちにミニリンメルト®OD錠50μg/25μgの投与を中断する。[添付文書の「8.重要な基本的注意」の項を併せてご参照ください。]

治療方法

  • 速やかにミニリンメルト®OD錠50μg/25μgの投与を中止する。
  • 嘔吐、呼吸困難、意識障害、痙攣、昏睡等がみられる場合;
    重篤な水中毒と判断し、高張食塩水の点滴静脈注射により補正する。急激なナトリウム濃度の補正は橋中心髄鞘崩壊症を引き起こす危険性があることから、頻回に血清ナトリウム値を測定し、患者の症状をみながら適切な速度で補正する必要がある。補充速度として、1日5~10mEq/Lずつゆっくりと行う。多くの場合、細胞外液量が増加していることから、フロセミドを併用し利尿を促すが、血清カリウム値を測定し適宜補充しながら慎重に行う。
  • 嘔吐を伴わない吐き気、頭痛、無気力、傾眠等の症状を伴う場合;
    水制限を行い、フロセミドの使用を考慮する2)。また、患者の症状に応じて、食塩水の点滴静脈注射によるナトリウム濃度補正を考慮する。
  • 症状の改善がみられない場合には専門的な知識を有する医師による治療を考慮すること。

ループ利尿剤(フロセミド等)はミニリンメルト®の併用禁忌薬です。水中毒の治療に際して、ループ利尿剤の強力な抗利尿作用が必要かどうか、十分ご検討ください。

7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)

7.1 年齢、体重、血清ナトリウム値、心機能等の状態から低ナトリウム血症を発現しやすいと考えられる場合には、デスモプレシンとして25μgから投与を開始することを考慮すること。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤投与中に低ナトリウム血症による水中毒症状を来すことがあるので、以下の点に注意すること。

  • 飲水制限を行い、点滴・輸液による水分摂取量も考慮すること。
  • 本剤投与開始前に血清ナトリウム値の測定を行い、投与の適否を判断すること。
  • 本剤投与中は投与開始又は増量から1週以内(3~7日)、1ヵ月後、及びその後は定期的に血清ナトリウム値の測定を行い、血清ナトリウム値が急激な低下を認めた場合や目安として135mEq/L未満を認めた場合には、投与を中止すること。
  • 本剤投与中は定期的に患者の状態を観察し、水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)が認められた場合には、直ちに投与を中断し、血清ナトリウム値を測定すること。

8.2 低ナトリウム血症による水中毒症状の発現及び重篤化を避けるために患者及びその家族に以下の点について十分説明・指導すること。

  • 本剤の投与初期には頻回の血液検査(血清ナトリウム値測定)が必要であり、医師の指示に従い検査を受けること。
  • 食事を含め、投与の2~3時間前より起床時迄の水分の摂取は最小限とすること。過度に水分を摂取してしまった場合は本剤の投与を行わないこと。
  • 水分や電解質のバランスが崩れ、水分補給が必要となる急性疾患(全身性感染症、発熱、胃腸炎等)を合併している場合は本剤の投与を中断すること。
  • 低ナトリウム血症による水中毒を示唆する症状(倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等)があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡すること。
  • 他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告すること。

8.3 本剤投与開始前に臨床検査及び問診を実施し、本剤投与により低ナトリウム血症が発現するおそれがある基礎疾患(心不全や体液貯留を伴う疾患等)が認められた場合には、本剤の投与を行わないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)

9.8 高齢者
患者の状態を勘案してデスモプレシンとして25μgから投与を開始することも十分に検討すること。
また、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。低ナトリウム血症が発現しやすい傾向がある。

1)山路 徹.最新内科学体系,第12巻間脳・下垂体疾患,p182,中山書店,1993.

2)Spasovski G, et al. Clinical practice guideline on diagnosis and treatmentof hyponatraemia. Nephrol Dial Transplant 2014: 29(Suppl.2): i1-i39.

製造販売元-フェリング・ファーマ株式会社、販売提携-キッセイ薬品工業株式会社

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