ミニリンメルト

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有効性:中枢性尿崩症

中枢性尿崩症に対する国内第Ⅲ相試験1)

デスモプレシン経鼻製剤(点鼻液又はスプレー剤)により症状がコントロールされている中枢性尿崩症の患者においてミニリンメルトへの切り換えを行った結果、切り換えによる24時間尿量の平均変化量は切り換え投与後4週目に-306.8±771.8mLであり、24時間尿量はわずかに低下しました。
以下の表に示すように、24時間尿量、尿浸透圧及び尿比重は、ミニリンメルト投与により経鼻製剤の治療時と同様にコントロールされていました。18歳未満の小児群と18歳以上の成人群で層別しても、ミニリンメルトにより経鼻製剤投与時と同程度の抗利尿作用が認められました。

平均24時間尿量の比較1)

平均24時間尿量(mL)
全体[主要評価項目] 成人[サブグループ解析結果] 小児[サブグループ解析結果]
経鼻製剤(ベースライン期) 2040.8±1106.5(20例) 2219.6±1165.3(16例) 1325.5±334.1(4例)
ミニリンメルト 1721.6±1032.1(19例)* 1854.0±1102.1(15例) 1225.0±554.5(4例)
ベースライン期からの変化量
(95%CI)
ー306.8±771.8
(ー678.8~65.1)
ー361.9±773.9
(ー790.4~66.7)
ー100.5±841.0
(ー1438.8~1237.8)

平均±標準偏差

平均24時間尿量の変化1)

平均24時間尿量の変化

平均±標準偏差

尿浸透圧の変化1)

尿浸透圧(mOsm/kg)
全体[主要評価項目] 成人[サブグループ解析結果] 小児[サブグループ解析結果]
経鼻製剤 597.2±212.0(20例) 544.8±176.1(16例) 806.5±237.6(4例)
ミニリンメルト 711.7±198.6(19例)* 687.3±193.7(15例) 803.3±217.7(4例)
切り換えによる変化量
(95%CI)
ー107.6±254.4
(ー15.0~230.2)
ー137.1±213.7
(ー18.8~255.5)
ー3.3±393.0
(ー628.6~622.1)

平均±標準偏差

尿比重の変化1)

尿比重
全体[主要評価項目] 成人[サブグループ解析結果] 小児[サブグループ解析結果]
経鼻製剤 1.0158±0.0068(20例) 1.0139±0.0053(16例) 1325.5±334.1(4例)
ミニリンメルト 1.0189±0.0072(19例)* 1.0139±0.0053(17例) 1225.0±554.5(4例)
切り換えによる変化量
(95%CI)
0.0029±0.0087
(ー0.0012~0.0071)
0.0032±0.0065
(ー0.0004~0.0068)
0.0020±0.0159
(ー0.0233~0.0273)

平均±標準偏差

*成人1例は中止のため、データは19例にて集計

【目的】
中枢性尿崩症に対するミニリンメルトの有効性、安全性を検討する。
【対象】
中枢性尿崩症症例(年齢39.6±19.5歳[平均±標準偏差]、年齢範囲8 ~ 71歳)20例
【試験方法】
経鼻製剤からミニリンメルト60μgの1日3回投与に切り換え、尿量のコントロールが適切でない場合は適宜増減し、4週間投与した。ただし、最大用量は720μg/日までとした。
【主要評価項目】
ベースライン期(経鼻製剤投与時)からの24時間尿量変化量
【副次評価項目】
ベースライン期と投与4週後の1時間あたりの尿量、尿浸透圧/尿比重の変化量等、有害事象発現率、臨床検査値の臨床的に意味のある異常値、血清ナトリウム値と体重の変化、バイタルサインと身体的所見
【解析計画】
希少疾病のため症例数が限定され正式な検出力の計算を行うことは困難であるため、平均値の両側95%信頼区間を算出した。
【安全性】
有害事象は20例中8例(発現率40.0%)に発現し、最も高頻度に発現した副作用は低ナトリウム血症6例(発現率30.0%)であった。その他、頭痛、肝機能異常、口渇、血中ナトリウム減少が各1例(5.0%)発現した。低ナトリウム血症2例にて重症度が中等度であり、他は軽度であった。なお、中等度の低ナトリウム血症を発現した1例は、経過観察のため入院したことから、重篤とした。

中枢性尿崩症に対する長期安全性評価2)

有害事象発現率は89.5%であり、17例59件認められました。副作用発現率は26.3%であり、5例9件の副作用が認められました。最も高頻度に発現した副作用は低ナトリウム血症で発現率は15.8%(3例、6件)でした。1年間の長期投与において、不可逆性の低ナトリウム血症はみられず、また、低ナトリウム血症の発現が経時的に増加する傾向は認められませんでした。その他、高カリウム血症、味覚異常及び心房細動が各5.3%(1例、1件)発現しました。重篤な副作用として心房細動1例が生じ、発現翌日に回復しました。この症例は高カリウム血症、肋骨骨折(因果関係なし)も発現しています。

【目的】
中枢性尿崩症患者におけるミニリンメルトの長期安全性を検討した。
【対象】
第Ⅲ相試験1)を終了し、1年間の長期安全性評価に移行した中枢性尿崩症患者19例
【試験方法】
第Ⅲ相試験から引き続き1年間投与した。
【安全性評価項目】
有害事象発現率、臨床検査値の臨床的に意味のある異常値、血清ナトリウム値と体重の変化、バイタルサインと身体的所見
【解析計画】
希少疾病のため症例数が限定され正式な検出力の計算を行うことは困難であるため、平均値の両側95%信頼区間を算出した。
  1. Arima H,et al.:Endocri J. 60(9), 1085 , (2013)
    [承認時評価資料] [フェリング・ファーマ依頼実施試験]
  2. 社内資料:中枢性尿崩症における長期安全性試験[CS43E] [承認時評価資料] [フェリング・ファーマ依頼実施試験]