Q&A
Q: ルティナスは妊娠初期に使用しますが、胎児に影響はありませんか?
A:
有効成分であるプロゲステロンは、FDA薬剤胎児危険度分類においてカテゴリーB(人での危険性の証拠はない)に分類されており、ASRM(米国生殖医学会)
1) では先天性異常のリスクを増加させることを示唆するエビデンスはないとコメントしています。
一部、妊娠初期の外因性プロゲステロンが尿道下裂のリスク上昇と関連することが示唆
2) されていますが、アンドロゲン受容体へ結合するプロゲステロン類(合成型プロゲステロン)に限定される
1)2) と考えられています。プロゲステロン投与事例で片側停留精巣や髄膜脊髄瘤がみられた報告がありますが、これら試験では対照群がなく薬剤との関連性が不明です。一般的に健康な妊婦からも3-4%程度
3) の奇形は認められており、電子添文の「その他の注意」の項では本剤投与によって胎児性形成異常の報告や流産等の報告を記載しています。
Practice Committee of American Society for Reproductive Medicine in collaboration with Society for Reproductive
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Q: ルティナスはいつまで投与すべきでしょうか?
A:
妊娠が継続されなかった段階(着床できなかった症例や流産した症例)で、ルティナスの投与は中止します。妊娠が継続されている症例では、電子添文の用法用量では「最長10週間(妊娠12週まで)投与する」となっています。
妊娠7週目程度からプロゲステロンが胎盤で産生され始める
4)5) ことから、米国生殖医学会の指針
6) において妊娠7週目までの黄体補充は重要であると記載されており、妊娠7週未満でのプロゲステロン低下が流産を引き起こしたとの報告
7)8) もあります。日本生殖医学会
9) では新鮮胚移植は妊娠反応が陽性となる妊娠4週目まで、凍結胚移植では妊娠7週(あるいはその少し後)まで行うと記載されています。
実際は妊娠8-10週程度の投与の報告例が多く
10-12) 、新鮮胚移植よりも凍結胚移植で長い傾向
12) があります。
妊娠10週目で黄体と胎盤のプロゲステロン分泌量が約1:1になること
13) から、妊娠10週(本剤の投与期間として8週)までは投与を継続することが推奨されています。
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Q: 血中プロゲステロン濃度と効果は関連しますか?
A:
腟剤にとって重要なのは全身の血中濃度ではなく子宮内膜組織濃度であると言えます。
腟剤は標的臓器である子宮の内膜組織のプロゲステロン濃度は高く、全身の血中プロゲステロン濃度は低いのが特徴です。プロゲステロンを経口投与または筋注投与した場合は、全身の血中プロゲステロン濃度は非常に高い値となりますが、着床前の子宮内膜組織の環境を整える作用は、経腟投与時が最も安定した作用を示すことが報告されています。また、国内からは血中プロゲステロン濃度が低い値である場合も高い値である場合も、妊娠率に関係は認めなかったとする報告が多数発表されています
14)15) 。
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