1. ホーム
  2. >
  3. 夜尿症領域
  4. >
  5. 治療方法について
  6. >
  7. 抗利尿ホルモン薬(内服薬・点鼻薬)

治療方法について

夜尿症領域の一覧に戻る

監修:服部益治 先生(兵庫医科大学小児科学 特別招聘教授)

抗利尿ホルモン薬(内服薬・点鼻薬)

作用機序 腎集合管のV2レセプターに作用し水の再吸収を促進させます。
投与方法 【用法・用量】(抜粋) ※複数剤形がありますがここでは経口剤をご紹介いたします。
・尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症
通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして120µgから経口投与し、効果不十分な場合は、1日1回就寝前にデスモプレシンとして240µgに増量することができます。
効果 海外での短期投与での有効率(夜尿日数が50%以上を超えて減少した場合)は60~80%であり、プラセボとの比較試験でも有効性が確認されています。日本でのプラセボを対照とした二重盲検比較試験では、内服薬で3.3日/14日に対して、ブラセボ1.5日/14日、点鼻薬で4.3日/14日に対して、プラセボ1.7日/14日と、夜尿日数がそれぞれ有意な減少を示したと報告されています。1)2)
副作用 頭痛、食欲不振、悪心、顔面浮腫、嘔吐、腹痛、発熱、不眠など。1)2)
水中毒が最も重篤な副作用です。服用2~3時間前より翌朝(服用から8時間程度)までの飲水は、コップ1杯程度に制限し、多めに飲水した場合は服用を中止してください。
留意点 夜尿翌朝尿浸透圧の平均値が800mOsm/L以下、あるいは尿比重の平均値が1.022以下であることを目安として、尿浸透圧あるいは尿比重が低下していることを確認してください。
本剤は原則として6歳以上の患者に使用してください。

出典:河内明宏ほか:夜尿症研究10:5-13,2005:夜尿症診療のガイドラインより抜粋・一部改変
1)横谷 進, Jens Peter Norgaard:Progress in Medicine 13 (11), 2013
2)帆足英一ほか:小児科臨床56,(5),965,2003

ミニリンメルト®OD錠について

夜尿症診療ガイドライン2016では、「デスモプレシンは夜尿症の治療薬として推奨される(推奨グレード1A)」

ミニリンメルト®OD錠は、尿産生が多量になるまれな疾患、中枢性尿崩症の治療用に開発された、ヒトの抗利尿ホルモンであるバソプレシンのペプチド由来合成アナログ経口剤です。腎臓でバソプレシンの作用を模倣し、水分の再吸収を増やして産生される尿量を抑制します。

※ミニリンメルト®OD錠の夜尿症における効能・効果は「尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症」です。

ミニリンメルト<sup>®</sup>OD錠

ミニリンメルト®OD錠5つの特性

1. 経口剤

デスモプレシンの経口剤では本邦初です。

2. 水なし服用

口腔内崩壊錠で水なしで服用します。

3. 夜尿症診療ガイドライン2016では、「デスモプレシンは夜尿症の治療薬として推奨される(推奨グレード1A)」

CQ9 夜尿症の診療においてデスモプレシンは推奨されるか 1)

推奨 推奨グレード
デスモプレシンは夜尿症の治療薬として推奨される。 1A

推奨の強さ 2)
1:強く推奨する、2:弱く推奨する(提案する)

推奨決定のための、アウトカム全般のエビデンスの強さ 2)
A(強):効果の推定値に強く確信がある、B(中):効果の推定値に中程度の確信がある、C(弱):効果の推定値に対する確信は限定的である、D(とても弱い):効果の推定値がほとんど確信できない

1)日本夜尿症学会 編:夜尿症診断ガイドライン2016. p.74,診断と治療社,2016
2)小島原典子・中山健夫・森實敏夫・山口直人・吉田雅博編集.Minds 診療ガイドライン作成マニュアル.Ver.2.0.公益財団法人日本医療機能評価機構 EBM 医療情報部.2016.

4. 夜尿日数のベースラインからの減少日数

「夜間尿浸透圧低下型」夜尿症患児に対し、14日間あたりの夜尿日数のベースラインからの減少日数は本剤で3.3日、プラセボで1.5日と有意に改善しました(p=0.009、夜尿日数の差を従属変数、また性別、年齢(6~9歳、10~15歳)、ベースライン期の夜尿日数(10~13日、14日)、試験薬剤(実薬、プラセボ)を独立変数としたANCOVA)。 3)

目的:

小児の夜尿症患者におけるミニリンメルトの有効性と安全性を検討しました。

対象:

尿浸透圧低下型夜尿症患者(89例)

方法:

投与第1~2週(治療期Ⅰ:14日間)に、デスモプレシン口腔内崩壊錠120µg/日又はプラセボを投与します。投与第1~2週に十分な効果(75%以上の夜尿日数の減少)がみられ、安全性に問題がない場合は、投与第3~4週(治療期Ⅱ:14日間)に移行し、120µg/日又はプラセボを継続投与します。十分な効果(75%以上の夜尿日数の減少)が得られず、安全性に問題がない場合は、投与第3~4週で240µg/日又はプラセボを投与します。

評価項目:

[主要評価項目]ベースライン期(経鼻製剤投与時)からの投与第3~4週の14日間あたりの夜尿日数減少量、
[副次評価項目]ベースライン期からの投与第1~2週の14日間あたりの夜尿日数減少量等、
[安全性評価項目]有害事象の発現率及び種類等。

解析計画:

夜尿日数の差を従属変数、性別、年齢、ベースライン期の夜尿日数、薬剤を独立変数として、ANCOVAにより解析しました。夜尿日数のベースラインからの変化に関するWilcoxonの2標順位和検定によるノンパラメトリック解析、Student-t検定による平均値の比較を行いました。

3)横谷 進, Jens Peter Norgaard:Progress in Medicine 13 (11), 2013

5. 副作用
夜尿症

本剤の国内で実施された臨床試験において45 例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は1 例(発現率2.2%)、2 件で、腹痛、倦怠感各1 件(2.2%)でした(承認時)。

中枢性尿崩症

本剤の国内で実施された臨床試験において20 例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は8 例(発現率40.0%)、10 件で、低ナトリウム血症・血中ナトリウム減少7 件(35.0%)、頭痛、口渇、肝機能異常各1 件(5.0%)が主なものでした(承認時)。

重大な副作用として、脳浮腫、昏睡、痙攣等を伴う重篤な水中毒が報告されています(頻度不明)。

※ミニリンメルト®OD錠の詳細な製品情報、「効能・効果」、「用法・用量」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「警告・禁忌を含む使用上の注意」についてはフェリング・ファーマ株式会社のWebサイトをご覧ください。