ミニリンメルトQ&A
ミニリンメルト®OD錠をご処方いただくにあたり、弊社へよくお問い合わせをいただくご質問について、Q&A形式でご紹介させていただきます。
味やにおいはありますか?
- 製剤として味やにおいはつけておりません。
無味無臭です。
小児に使用する場合、年齢や体重毎の投与量は設定されていますか?
- 年齢や体重換算による投与量の目安は設定していません。
多尿の程度や膀胱サイズ、抗利尿ホルモン分泌量など、ミニリンメルト®OD錠の治療効果に関与する因子が多いため、患者体重別ではなく適応症毎に承認された用法用量の範囲内での投与量を推奨しています。
そのため、夜尿症の小児に投与する場合には、6歳児であっても本剤は120μgから投与を開始してください。
「水なしで飲むこと」となっているのはなぜですか?
水と一緒に飲んではいけませんか?舌下で服用するのですか?
- 電子添文の「用法・用量に関連する使用上の注意」には、水分摂取管理の重要性を考慮して「水なしで飲む」ことを記載しています。
ミニリンメルト®OD錠は口腔粘膜からも一部吸収されるため、「水なし」で服用することを推奨しています。水と一緒に服用した場合、口腔粘膜からの吸収が低下する可能性があります。
また、「用法・用量に関連する使用上の注意」には、「口の中(舌下)に入れると速やかに溶ける」ことを記載しており、唾液が多く速やかに溶けやすい舌下への投与を推奨しています。
低ナトリウム血症(水中毒)を予防するためには?
- 低ナトリウム血症の予防には患児選択が重要です。尿検査や血液検査で異常がなく、本人ならびに保護者による夜間の水分制限が可能と判断した患児を処方対象とし、患児ならびに保護者には服用に関する指導を行うことが重要です。
- 服用2~3時間前より翌朝(服用から8時間程度)までの飲水は、コップ1杯程度に制限し、多めに飲水した場合は服用を中止すること
- 感冒や胃腸炎などの症状がある時は服用を中止すること
- 低ナトリウム血症(水中毒)の初期症状(頭痛、悪心、嘔吐、倦怠感など)が認められた場合は直ちに服用を中止して医師に連絡すること
以上を十分に説明します。1) -
1) 池田裕一 他:小児科診療 78(6), 841-845, 2015より改変
ブリスターシートから取り出して一包化や粉砕、半割など用量調節することは可能ですか?
- 一包化、粉砕、半割は製剤特性上、避けてください。
電子添文の「適用上の注意」に、「開封したとき水分と光に不安定なため、使用直前にブリスターシートから取り出すこと」 と記載しています。
なお、ミニリンメルト®OD錠は水なしでの服用を推奨しています。
他の薬剤を水と一緒に服用した後、最後にミニリンメルトを水なしで服用してもらうためにも、「一包化」は推奨できません。
夜尿症治療において、ミニリンメルト®OD錠を飲み忘れた場合の対処方法はありますか?
- 飲み忘れて就寝した場合は、そのまま睡眠を継続させ、その日の服用はスキップし、翌日の就寝前から1回分を服用します。
前日分と合わせて2回分を一度には服用しないでください。
夜尿症治療において、夕食から寝るまでの時間が短い場合、食後すぐにミニリンメルト®OD錠を飲んでも大丈夫ですか?
- できるだけ夕食後2~3時間経ってから、ミニリンメルト®OD錠を服用してください。
夕食で摂った水分(お米などに含まれる水分も該当します)は通常2~3時間で6~8割が尿となって体外に排泄されます。1)
夕食で摂った水分が、ある程度尿として排泄された後に本剤を服用することで、体内に過剰に水分をためこみにくくなります。
夕食後すぐに本剤を服用した場合、体内に過剰に水分が溜まり、本剤の副作用(低ナトリウム血症/水中毒)の発現リスクが上昇する可能性があります。 -
1) 相川 務:夜尿症研究, 2007:12, 45-49
夜尿症治療において、部活動などで夕食が遅い場合、ミニリンメルト®OD錠の服用はどうすればよいですか?
- 夕食が遅くなっても、夕食後2~3時間経ってからミニリンメルト®OD錠を服用し就寝できるのであれば問題ありません。夕食から就寝までの時間が短く、夕食後2時間以内に本剤を服用し就寝する場合には、野菜や果物などに含まれる水分にも注意し、水分摂取量はコップ1杯までにしてください。それ以上摂取した場合は、本剤の服用をとりやめます。なお、部活動で夕食が遅い場合には、
- 部活動の前に少しでも食べたり飲んだりしておく
- 途中に休憩時間があればその間にも少し食べておく
- 運動で汗を多くかく場合には、家に帰ってではなく、部活動が終わった直後に水分を十分にとる
- 夕食は米飯よりも水分量が少ないパンを主食にする(ただし、牛乳は飲まない)
などの対策が挙げられています。1) -
1) 西 美和:夜尿症研究 2013;18:9-11.
経鼻製剤からミニリンメルト®OD錠へ切り換える際の用量換算比率は確立していますか?
- 経鼻製剤はアレルギーなどにより鼻粘膜からの吸収が低くなり見かけの投与量が多いことがありますので、換算比率を用いたミニリンメルト®OD錠の投与量設定は注意が必要です。
【夜尿症】
換算比率は確立していません。薬物動態などを参考に以下の換算比率を想定していますが、この比率で経鼻製剤からミニリンメルト®OD錠に切り替えた場合、同等かそれ以上の効果が得られる症例があるとの国内報告1)があります。
本剤は120μgから開始し効果が不十分な場合に240μgへ増量してください。
デスモプレシン・スプレー 10μg ≒ ミニリンメルト®OD錠 120μg
デスモプレシン・スプレー 20μg ≒ ミニリンメルト®OD錠 240μg【中枢性尿崩症】
換算比率は確立していません2)。 ミニリンメルトへのへ切り換えは、低用量製剤である60μgから開始し、尿濃縮の程度と効果持続時間を確認しながら、患者の生活習慣を考慮し投与量や投与回数を決定することを推奨しています。
-
1) 大友義之 他:小児科診療 2013;76(4):661-666.
2) Arima H, et al,Endocrine J.2013;60(9):1085-1094.
中枢性尿崩症では1日1-3回服用します。食事の影響を受けるようですが、食事とのタイミングはどのようにすればよいですか?
- 食後すぐ(食後30分以内)にミニリンメルトを服用した場合、吸収が低下し効果が減弱する可能性があります。このため、電子添文「用法・用量に関連する使用上の注意」に「食直後の投与は避けることが望ましい」と記載しています。
ミニリンメルトは、食後30分以内の服用は避け、また、食事と服用のタイミングを変えず(例えば、「昨日は昼食1時間後に服用し、今日は昼食30分前に服用」のような服用タイミングの変更はしない)服用してください。食後投与から食前投与に変更した場合、血中デスモプレシン濃度が高くなり副作用の発現リスクが上昇する可能性があります。