男性不妊と酸化ストレス
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湯村 寧 先生 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター 准教授)
不妊症の原因の半分は男性にもあるという認識は近年患者・不妊治療に携わる我々にも広く受け入れられつつある。しかしながら男性不妊の原因の半数はいまだ不明であり、診療では精液検査を主とする検査、内科的治療においては経験則に基づいた内服治療が今も主であり大きな変化はなく、なんらかのbreak-throughが必要である。本講演では男性不妊と酸化ストレスに関する我々の研究について紹介する。
2020.10(514)
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PRP(Platelet-rich plasma)による難治性不妊の治療
堤 治 先生 (医療法人財団順和会 山王病院 院長)
子宮内膜の胚受容能の低下には、現代において有効な治療手段が乏しく、難治性不妊の要因と考えられている。PRP(多血小板血漿)は自己血液内の血小板から生成される成長因子を濃縮・活性化後に治療標的部位へ注入または注射する治療法である。本講演では反復着床不成功例に対するPRP療法の臨床研究で得た最新知見について紹介する。
XY精子選別の新手法
島田 昌之 先生 (広島大学大学院統合生命科学研究科 教授)
ヒト、ウシやブタなどの家畜など哺乳類は、ほぼ1:1で雄と雌が誕生する。雌雄は、X染色体をもつX精子かY染色体をもつY精子のどちらが受精したかにより決定されること、X精子とY精子はXYの精原細胞から減数分裂により同数作られることから、X精子とY精子は同じ受精能力を持つことが分かる。本講演ではX精子Y精子選別の新しい手法について紹介する。
ERA検査を用いたpersonalized ETによって得た知見
川井 清考 先生 (医療法人鉄蕉会 生殖医療事業管理部/亀田IVFクリニック幕張)
近年、世界で高い注目を集めているERA検査によると、検査を受けた患者の約3割で胚受容期(WOI)のずれが確認されており、反復着床不全を対象とした検討では、複数の研究グループからERA検査結果を元に最適時期に胚移植を行うことで、移植成績が改善する見解が示されている。本検査を臨床下で効果的に運用する上では、移植胚盤胞ステージ(早期胚盤胞or孵化胚盤胞)の違いや、使用されるプロゲステロン製剤の違いによる医原的なWOIのずれについて考慮する必要がある。
ERA検査を用いたpersonalized ETによって得た知見
Pin-Yao Lin, MD (Lee Women’s Hospital, Taiwan)
PRPは患者自身の血液中の血小板から放出される成長因子(PDGF、IGF、VEGF等)を分離濃縮後に、治療したい臓器へ注入・注射することによって、本来自分の体が持つ細胞の再生能力を局所的に最大化する治療法である。近年、難治性子宮内膜菲薄症例や反復着床不全症例に対する新たな治療アプローチとして注目されており、当院における検討においても良好な成績が確認できた。将来的にART患者の卵巣機能改善等においても治療選択肢の1つとして注目される可能性がある。