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弊社製品領域の最新情報を論文等から紹介しています。特定の薬剤/システムの処方/使用誘因あるいは企業の営利を企図するものではなく、
また国内での承認外の情報を一部含んでおりますがこれを推奨するものではありません。薬剤の使用にあたっては最新の添付文書をご参照ください。


NEW
不妊治療と児の長期神経疾患罹患率
Infertility treatments and long-term neurologic morbidity of the offspring

Levin S, Sheiner E, Wainstock T, Walfisch A, Segal I, Landau D, Sergienko R, Levitas E, Harlev A
Am J Perinatol 2019年 36巻 9号 949〜954

児の神経学的転帰に及ぼす不妊治療の影響については見解が分かれている。本研究では、IVF または排卵誘発(OI)による児の長期神経疾患リスクを検討するため、1991~2014 年にイスラエルの1 施設で生まれた単胎児242,187例を対象とする集団ベースコホート研究を行った。237,863例(98.2%)が自然妊娠、2,603例(1.1%)がIVF、1,721例(0.7%)がOI による妊娠であった。最大18歳まで追跡した結果、神経疾患による入院率は、自然妊娠群の3.1%と比べ、IVF 群で3.7%(p =0.086)、OI 群で4.1%(p =0.022)と高かった。Kaplan‐Meier生存曲線で示した神経疾患による入院の累積ハザードは、IVF 群で最も高く、自然妊娠群で最も低かった(p <0.001)。疾患別では、注意欠陥/ 多動性障害(ADHD)および頭痛による入院率がOI 群で高く、睡眠障害による入院率がIVF 群で高かったが、自閉症および脳性麻痺による入院率は3群間で同等であった。母親の年齢、糖尿病、高血圧性障害、早産、出生体重で調整したWeibull 多変量解析の結果、IVF は児の神経疾患による入院の有意な独立危険因子であった(調整ハザード比1.40、95%信頼区間1.14~1.71)。一方、OI と神経疾患による入院に有意な関連はみられなかった(調整ハザード比1.17、95%信頼区間0.92~1.48、p =0.196)。不妊治療による児の神経疾患には複数の病態生理学的機序が関与している可能性があるが、その一つとしてはDNA メチル化や遺伝子発現などのエピジェネティックな変化が考えられる。ただし、この数年間で不妊治療は進歩しており、母親の特性が変わりつつあることから、不妊治療における児の神経疾患の傾向をさらに検討することが求められる。

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NEW
不妊治療と小児閉塞性睡眠時無呼吸のリスク-集団ベースコホート研究の結果
Fertility treatments and the risk of pediatric obstructive sleep apnea in the offspring-results from a population-based cohort study

Imterat M, Wainstock T, Sheiner E, Landau D, Walfisch A, Harlev A
Pediatr Pulmonol 2019年 54巻 10号 1534〜1540

不妊治療が周産期転帰に及ぼす影響は知られているが、児に対する長期的な影響は明らかにされていない。本研究では、1991年1月~2014年1月にイスラエルの1施設において単胎児242,187例を対象とする集団ベース後方視コホート研究を行い、IVF や排卵誘発(OI)による閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のリスクを検討した。237,863例(98.2%)が自然妊娠、2,603例(1.1%)がIVF、1,721例(0.7%)がOI による妊娠であった。OI では、アロマターゼ阻害薬や選択的エストロゲン受容体モジュレーターの経口投与、またはゴナドトロピンの皮下投与を行い、トリガーとしてhCGを使用し、IUIまたはタイミング法を実施した。最大18歳まで追跡した結果、1,607例(0.7%)が入院を必要とするOSA を発症していた。入院した児の62.6%が男児、37.4%が女児であり、初回入院時の平均年齢は3.6歳であった。OSA による入院率は、自然妊娠群の0.7%と比べ、IVF 群で1.4%(調整ハザード比2.66、95%信頼区間1.92~3.68、p <0.001)、OI 群で1.2%(1.76、1.14~2.70、p = 0.010)と有意に高かった。Kaplan‐Meier 生存曲線で示した入院を必要とするOSAの累積発症率についても、自然妊娠群と比べてIVF群およびOI 群で有意に高かった(p <0.001)。交絡因子(妊娠期間、母親の年齢、喫煙、肥満、分娩様式、暦年、出生体重、児の性別、肥満)を考慮した多変量Cox 回帰分析の結果、いずれのモデルにおいても、IVF とOI は小児OSA の有意な独立関連因子であった。不妊治療を受けた女性の子宮環境が不良であることや、DNA メチル化の異常などのエピジェネティックな変化がリスク上昇の原因と考えられるが、発症機序や関連についてさらに研究する必要がある。

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予後良好患者における凍結単一胚移植の選択基準としてaneuploidyに関する着床前スクリーニングと形態の比較:多施設共同無作為化比較試験
Preimplantation genetic testing for aneuploidy versus morphology as selection criteria for single frozen-thawed embryotransfer in good-prognosis patients: a multicenter randomized clinical trial

Munné S, Kaplan B, Frattarelli JL, Child T, Nakhuda G, Shamma FN, Silverberg K, Kalista T, Handyside AH, Katz-Jaffe M, Wells D, Gordon T, Stock-Myer S, Willman S; STAR Study Group
Fertil Steril 2019年 112巻 6号 1071〜1079

着床前スクリーニング(PGT‐A)に次世代シークエンサー(NGS)が近年導入され、ゲノムのコピー数の解析における感度と解像度が向上した。本研究では、2014年10月~2016年12月に米国、カナダ、英国、オーストラリアの34施設でIVFを施行し、生検とガラス化保存が可能な胚盤胞を少なくとも2個得られた25~40歳の女性661例を対象とする無作為化比較試験(STAR試験)を行い、凍結単一胚移植のための胚の選択におけるNGSを用いたPGT‐Aの有用性を検討した。PGT‐A群330例、対照群331例に無作為に割り付けた。全例の胚盤胞を形態学的に評価し、さらにPGTA群には良好胚盤胞に対して生検とPGT‐Aも行った。PGT‐A 群では、解析した胚盤胞2,178個のうち939個(43.1%)がeuploidyであり、この割合は年齢の上昇に伴って低下した。主要評価項目である妊娠20週時の移植周期あたりの継続妊娠率は、PGT‐A 群で50.0%(137/274サイクル)、対照群で45.7%(143/313サイクル)と有意差がみられなかった。ITT集団の継続妊娠率もPGT‐A群で41.8%(138/330例)、対照群で43.5%(144/331例)と有意差はみられなかった。事後サブグループ解析の結果、35~40歳の女性の移植周期あたりの継続妊娠率は対照群の37.2%(54/145サイクル)と比べてPGT‐A群で50.8%(62/122サイクル)と有意に高かったが(p=0.0349)、ITT 集団の継続妊娠率はそれぞれ41.1%、35.7%と有意差がみられなかった。25~34歳の女性の移植周期あたりの継続妊娠率はPGT‐A 群で49.3%(75/152サイクル)、対照群で53. 0%(89/168サイクル)、ITT 集団の継続妊娠率も42.5%と50.3%であり、いずれも群間で有意差はみられなかった。以上の結果から、25~40歳の女性におけるPGT‐Aの有用性は裏付けられなかったが、35~40歳の女性ではPGT‐Aにより凍結単一胚移植後の転帰が改善する可能性が示唆された。

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ロングまたは超ロングプロトコールでのIVF-ETが成功しなかった女性に対する黄体期卵巣刺激で得られた胚の質の分析
Analysis of embryo quality with luteal phase ovarian stimulation after failed in vitro fertilization-embryo transfer with longor ultra-long protocol

Li D, Liu Q, Chen X, Zhou H, Chen L, Guo Y
J Gynecol Obstet Hum Reprod 2019年 48巻 7号 527〜529

卵胞ウェーブの理論によると、主席卵胞の排卵後の黄体期に他の卵胞が発育する可能性があるとされている。本研究では、黄体期卵巣刺激が胚の質に及ぼす影響を検討するため、2015年1月~2017年10月に中国の1施設においてGnRH アゴニストを用いたロングまたは超ロングプロトコールでのIVF‐ETを施行したものの、胚の質が不良であったために成功しなかった女性40例を対象とする臨床研究を行った。治療を次のように変更し、自然周期の採卵日から黄体期卵巣刺激としてゴナドトロピン225~300IU/日を投与し、成長ホルモン4~6IU/日、レトロゾール2.5mg/日を8日間投与した。3個の卵胞が18mm以上になった時点でGnRHアゴニスト0.1mg およびhCG 1,000IU を投与し、34時間後に採卵して凍結胚移植を行った。27例(平均35.27±5.74歳)では、ロングプロトコールの不成功時と比べて黄体期卵巣刺激後の受精率[63.89%(161/252 個) vs 51.20%(149/291 個)、p=0.003]および胚盤胞形成率[49.69%(80/161個) vs37.58%(56/149個)、p=0.032]が有意に上昇し、凍結胚移植後の移植周期あたりの臨床妊娠率が38.89%(7/18サイクル)であった。13例(平均31±4.12歳)でも、超ロングプロトコールの不成功時と比べて黄体期卵巣刺激後の受精率[64.65%(128/198個) vs 43.06%(62/144個)、p<0.001]および胚盤胞形成率[49.22%(63/128個) vs 32.26%(20/62個)、p=0.027]が有意に上昇し、凍結胚移植後の移植周期あたりの臨床妊娠率が60.00%(6/10サイクル)であった。なお、いずれの患者もD3良好胚の割合に治療間で有意差はみられなかった。GnRHアゴニストによる下垂体抑制の感受性は女性によって異なるため、ロングまたは超ロングプロトコールが成功しなかった場合は黄体期卵巣刺激が代替治療になると考えられた。

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低用量アスピリンの新たな展望:無排卵の多嚢胞性卵巣症候群女性の排卵誘発におけるタモキシフェンとの併用投与
A new look at low-dose aspirin: co-administration with tamoxifen in ovulation induction in anovulatory PCOS women

Aref NK, Ahmed WAS, Ahmed MR, Sedik WF
J Gynecol Obstet Hum Reprod 2019年 48巻 8号 673〜675

低用量アスピリン(LDA)は、トロンボキサンA2の合成を阻害して血管を拡張し、血小板凝集を阻害することにより、卵巣と子宮の血流を促進することが示されている。抗エストロゲン薬のタモキシフェンは、クロミフェンと構造が似ており、クロミフェンの無効症例の排卵を誘発するが、卵巣過剰刺激や多胎妊娠などの副作用が少ないことが報告されている。本研究では、LDA とタモキシフェンの併用効果を評価するため、2015年3月~2016年4月にエジプトの1施設において20~35歳の無排卵周期症の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)女性188例を対象とする単盲検無作為化比較試験を行った。併用群の94例(平均26.7±4.8歳)には前周期の21日目から妊娠検査または試験終了までLDA 81mg を1日1回経口投与した。対照群の94例(平均25.9±6.2歳)にはプラセボ(ビタミンB12)を投与した。両群とも周期3~7日目にタモキシフェン10mg を1日2回経口投与した。卵胞が18mm 以上になった時点でhCG 5000IU を筋注し、24~36時間後にタイミング法を行うように指導した。全例にプロゲステロン400mg を1日1回経腟投与した。LDA 群は対照群に比べて18mm 以上の成熟卵胞の平均数が有意に多く(1.4±0.8個 vs 1.1±0.4個、p <0.05)、hCG 投与前の子宮内膜厚が有意に厚く(9.6±1.4mm vs 7.8±1.2mm、p <0.01)、3層構造の子宮内膜の割合が高く(87% vs83%、p =0.45)、3サイクルまでの累積臨床妊娠率が有意に高かった(37.2% vs 22.3%、p =0.03)。また、両群とも治療2~3ヵ月目と比べて1ヵ月目に妊娠に至る女性が多かった。以上の結果から、LDA とタモキシフェンとの併用は、卵巣反応を改善し、子宮内膜を調整するとともに、安価で安全なプロトコールであると考えられた。

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euploidの凍結胚移植におけるホルモン補充周期と自然周期の比較 
Hormone replacement versus natural frozen embryo transfer for euploid embryos

Wang A, Murugappan G, Kort J, Westphal L
Arch Gynecol Obstet 2019年 300巻 4号 1053〜1060

凍結胚移植のプロトコールを比較した大規模研究(コクランレビュー2件、メタアナリシス1件)では、より優れたプロトコールを示すことができなかったが、別の研究ではeuploid の凍結胚移植において母体年齢で調整後の生産率や継続妊娠率がホルモン補充(HR)周期と比べて自然周期で有意に高かったと報告されている。本研究では、多変量モデルを用いてHR 周期と自然周期の転帰を比較するため、2014~2018年に米国の1施設でIVF を施行した女性のうち、Day 5/6に着床前スクリーニングを行い、euploid と診断された単一胚の凍結胚移植を受けた283例(389サイクル)を対象とする後方視的コホート研究を行った。HR 周期(175サイクル)は、自然周期(214サイクル)と比べ、採卵時の平均年齢(35.1±3.5歳 vs 36.1±3.7歳、p =0.0083)、胚移植時の平均年齢(35.6±3.5歳 vs 36.5±3.7歳、p =0.013)が有意に低かった。また、AMH 値の分布やIVF の適応に群間で有意差がみられたが、ベースラインの患者背景の多くや周期の特徴は両群で同等であった。HR 周期と自然周期の継続妊娠率は42.9%と60.7%、流産率は17.7%と15.0%であった。交絡因子で調整したところ、HR 周期と比べて自然周期の継続妊娠率は有意に高かったが(調整オッズ比2.05、95%信頼区間1.27~3.31、p =0.003)、流産率に群間で有意差はみられなかった(0.69、0.37~1.32、p =0.27)。初回の凍結胚移植のみを用いた二次解析の結果も同様であった。以上の結果から、euploid の凍結胚移植において自然周期はHR 周期よりも継続妊娠率が有意に高いものの、流産率に差はないことが示唆された。HR 周期は新鮮胚移植周期と比べてホルモン値が生理的レベルに近いが、エストロゲンの補充により自然周期と比べてホルモン値が上昇するため、妊娠転帰に負の影響を及ぼす可能性がある。また、自然周期では黄体があることも転帰の差に寄与するものと考えられる。

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黄体補充のためのGnRHアゴニストの反復投与:概念実証
Repeated GnRH agonist doses for luteal support: a proof of concept

Wiser A, Klement AH, Shavit T, Berkovitz A, Koren RR, Gonen O, Amichay K, Shulman A
Reprod Biomed Online 2019年 39巻 5号 770〜776

卵巣刺激後のトリガーとしてGnRH アゴニストを用いた場合、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発現を予防できるが、LHサージの期間が限定的で早期黄体退縮を起こすことから、新鮮胚移植を施行するためには黄体補充が必要である。その方法としては、採卵日の低用量hCG の投与またはGnRH の反復投与が知られている。本研究では、これらの黄体補充法の実行可能性を検討するため、GnRH アンタゴニストプロトコールと新鮮胚移植を施行する40歳未満の女性を対象とした無作為化比較試験を行った。トリガー日のE2値が2,500pg/mL を超えた女性にはトリガーとしてGnRH アゴニスト0.2mg を皮下投与した。E2 値が4,500pg/mL、採卵数が25個を超えた女性は対象から除外した。黄体補充として39例(平均30.9±6歳)には採卵の3日後からGnRHアゴニスト0.1mgを隔日で計5回皮下投与し、7例には胚移植の3日後にrhCG 80μgを投与した。両群とも、採卵の3日後からプロゲステロン100mgを1日3回、経腟投与し、Day 5胚盤胞移植を行った。なお、rhCG群では7例を登録後、2例にOHSSが発現したため、登録を中止した。GnRH アゴニスト群では、OHSS や他の有害事象の発現もなく、妊娠検査前の出血もみられず、臨床妊娠率は43.6%であった。GnRH アゴニストによる黄体補充を開始後、LH値とプロゲステロン値が上昇した。以上の結果から、GnRHアンタゴニストプロトコールによるIVF 周期では、トリガーとしてGnRHアゴニストを投与した場合、GnRH アゴニストを隔日で反復投与する黄体補充が安全かつ有効であると考えられた。黄体補充におけるGnRH アゴニストの作用機序は十分に解明されていないが、下垂体ゴナドトロピン細胞によるLHの分泌を促進することや、LHの放出に伴って血管新生促進因子や着床を促すサイトカインが刺激されることが報告されている。

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凍結胚移植を行う患者の子宮内膜増殖に対する自己多血小板血漿の影響:二重盲検無作為化比較試験
Effects of autologous platelet-rich plasma on endometrial expansion in patients undergoing frozen-thawed embryo transfer: a double-blind RCT

Nazari L, Salehpour S, Hoseini S, Zadehmodarres S, Azargashb E
Int J Reprod Biomed (Yazd) 2019年 17巻 6号 443〜448

凍結胚移植周期では、子宮内膜調整を受けたにもかかわらず、子宮内膜厚が不十分であるために治療がキャンセルになることがある。成長因子やサイトカインを豊富に含む多血小板血漿(PRP)は、難治性の子宮内膜菲薄化に対する新しい治療法として報告されている。本研究では、自己PRP の子宮内注入の有効性を検討するため、2016~2017年にイランの1施設を受診した38歳以下、BMI30kg/m2以下の女性のうち、子宮内膜厚が7mm 以下のため凍結胚移植をキャンセルしたことがある60例を対象とした二重盲検無作為化比較試験を行った。PRP 群30例(平均33.93±2.76歳)、対照群30例(平均32.33±4.79歳)に無作為に割り付けた。全例に周期2~3日目からエストラジオール(E2)6mg/日を投与し、Day 9~10に8mg/日へ増量した。PRP 群にはDay 11~12に超音波ガイド下で自己PRP0.5mL を子宮腔内へ注入し、48時間後に再投与した。子宮内膜厚が7mm を超えた場合には、プロゲステロン(P4)坐剤400mg を1日2回投与し、凍結胚移植後はE2とP4の補充を継続した。PRP 群と対照群の子宮内膜厚は、介入前が4.92 ± 0.671mm と5.06 ±0.821mm(p =0.613)、初回介入後が5.993±0.701mmと5.453±0.823mm であったが(p =0.63)、2回目の介入後は有意差がみられ、7.213±0.188mm と5.767±0.973mm であった(p <0.001)。PRP 群の全例および対照群の6例が凍結胚移植を行った。PRP 群と対照群の生化学的妊娠率は12例、2例、臨床妊娠率は10例、1例であった。以上の結果から、難治性の子宮内膜菲薄化女性において自己PRP の子宮内注入は子宮内膜増殖に有効であることが示唆された。

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euploidおよびaneuploidのヒト胚における早期胚盤胞拡張:胚選択のための非侵襲的定量的マーカーに関するエビデンス
Early blastocyst expansion in euploid and aneuploid human embryos: evidence for a non-invasive and quantitative marker for embryo selection

Huang TT, Huang DH, Ahn HJ, Arnett C, Huang CT
Reprod Biomed Online 2019年 39巻 1号 27〜39

胚の生存に関するタイムラプス画像の有用性は報告されているが、初期胚から初期胚盤胞までの形態運動的マーカーと倍数性との強い関連は示されていない。本研究では、拡張期胚盤胞の形態運動的な特徴を調べるため、2015年1月~2016年6月に米国の1施設において着床前スクリーニングを実施した不妊女性34例(22~42歳)を対象とする後方視的観察研究を行った。生検で評価した胚盤胞188 個のうち、89 個(47.3%)がeuploidy、99 個(52.7%)がaneuploidy であった。生検前にタイムラプス画像を用いて胚盤胞形成の開始から10時間にわたり2時間毎に拡張を評価した結果、euploidy はaneuploidyと比べて胚盤胞の平均拡張速度が有意に速く(傾き:836.9 vs 547.5、p =0.0041)、胚盤胞形成の4時間後から10時間後まで群間で有意差がみられた。また、胚盤胞形成の時間と面積をプロットしたところ、受精後80~140時間のeuploid とaneuploid の胚盤胞の分布は同様であった。しかし、拡張速度がもっとも速い胚盤胞(面積が20,800μm2を超える胚盤胞)はeuploidy で有意に多く(p =0.0039)、拡張速度がもっとも遅い胚盤胞(面積が15,800μm2未満の胚盤胞)はaneuploidy で有意に多かった(p =0.0030)。35歳未満の12例から採取した胚盤胞82個を拡張速度で5段階に順位付けした場合、上位2位までの胚盤胞の91.7%がeuploidy であった。さらに、着床前スクリーニングを受けずに臨床妊娠に至った症例のタイムラプス画像を詳細に解析した結果、胚盤胞の迅速な拡張は栄養外胚葉細胞の安定した有糸分裂と関連することが明らかになった。胚盤胞の拡張速度は倍数性と関連することから、拡張速度を分析することが胚の選択に有用な非侵襲的定量的な評価法になる可能性が示唆された。

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自己卵子のIVF/ICSIで着床不全を経験した女性の妊娠転帰に及ぼす静注用イントラリピッドの影響:無作為化比較試験
The effect of administration of intravenous intralipid on pregnancy outcomes in women with implantation failure after IVF/ICSI with non-donor oocytes: a randomised controlled trial

Singh N, Davis AA, Kumar S, Kriplani A
Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol 2019年 240巻 45〜51

子宮内膜環境の免疫機能障害は着床を妨げる機序の一つとされる。中心静脈栄養に用いられる静注用イントラリピッドには免疫調節作用があると示唆されている。本研究では、静注用イントラリピッドが妊娠転帰に及ぼす影響を評価するため、2017年1月~2018年1月にインドの1施設においてIVF/ICSI を受ける原発性不妊女性のうち、自己卵子のIVF/ICSI で着床不全を経験したことがある102例(20~40歳)を対象とする単盲検プラセボ対照無作為化比較試験を行った。調節卵巣刺激により2個の主席卵胞が18mm 以上となった時点でrhCG をトリガーとして使用し、24~36時間後に採卵した。試験群の52例には静注用イントラリピッド(Intralipid 20% 4mL を生理食塩水250mL で希釈したもの)を、対照群の50例には生理食塩水を、採卵直後と胚移植の1時間前に点滴静注した。全例に黄体補充を行った。試験群は対照群と比べて主要評価項目の生化学的妊娠率(40.4% vs 16%、p =0.006)、臨床妊娠率(34.6% vs 14%、p = 0.023)、着床率(16.6% vs 6.5%、p =0.012)、生産率(34.6%vs 14%、p =0.023)、take home baby rate(28.8%vs 10%、p =0.024)が有意に高かった。多重ロジスティック回帰分析の結果、対照群に対する試験群の臨床妊娠の調整オッズ比は3.14(95%信頼区間1.02~9.70)であった。ただし、過去のIVF 不成功回数が2回以上の患者と比べて1回の患者の妊娠成功率が高かった(調整オッズ比5.91、95% CI 1.11~31.42)。両群とも、統計的または臨床的に有意な有害妊娠転帰は認められなかった。今回、免疫機能検査を実施しなかったことから、免疫機能障害を有する女性のみに静注用イントラリピッドがよい影響を及ぼしたのかは明らかでない。子宮内膜受容能に対する静注用イントラリピッドの影響を解明するためには、さらなる研究が必要であると考えられた。

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