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弊社製品領域の最新情報を論文等から紹介しています。特定の薬剤/システムの処方/使用誘引あるいは企業の営利を企図するものではなく、
また国内での承認外の情報を一部含んでおりますがこれを推奨するものではありません。薬剤の使用にあたっては最新の電子化された添付文書をご参照ください。


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iDAScoreにより算出したアノテーションフリー胚スコアは単一凍結胚盤胞移植後の
生産率と相関したが、新生児転帰と相関しない
Annotation-free embryo score calculated by iDAScoreⓇ correlated with live birth and has no correlation
with neonatal outcomes after single vitrifified-warmed blastocyst transfer

Ueno S, Berntsen J, Ito M, Okimura T, Kato K
The 38th Annual Meeting of the European Society of Human Reproduction and Embryology Milan, Italy 3-6 July, 2022 2022年 

妊娠の可能性が高い胚を選択するために近年開発されたディープラーニングモデルの一つであるiDAScoreは、従来の形態学的評価および形態動態学的評価よりも優れることが示唆されている。このアノテーションフリーのiDAScore が生産率および新生児転帰と関連するかを検討するため、本研究では、単一凍結胚盤胞移植の3,010 サイクルを後方視的に解析した。iDAScore に基づき、9.9~9.3、9.2~8.7、8.6~7.3、7.2~1.0パーセンタイルの4群に分け、生産率、流産率(妊娠第1期と第2期における流産率の合計)、新生児転帰との関連について傾向検定を行った。その結果、iDAScore の低下に伴い、生産率は低下し(p <0.05)、流産率は上昇した(p <0.05)。多変量ロジスティック回帰分析では、iDAScore と生産率の上昇(調整オッズ比1.742、95%信頼区間1.601~1.904、p <0.05)および流産率の低下(0.799、0.706~0.905、p <0.05)との有意な相関が認められた。一方、iDAScore は新生児転帰( 先天性奇形、性別、在胎期間、出生体重) と相関しなかった。交絡因子として母父の年齢、母親のBMI、経産、喫煙、帝王切開の有無を考慮した多変量ロジステック回帰分析においても、新生児の特性(低出生体重、発育不全児、胎児発育過剰、早産、男児の割合、先天性大奇形)に群間で有意差がみられなかった。以上の結果から、iDAScore のような完全自動アノテーションフリーモデルを用いた胚の客観的評価は、新生児転帰と関連しないが、単一凍結胚盤胞移植後の生産率を予測する適切な評価法となる可能性があると考えられた。

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ESHRE PGTコンソーシアムのデータ:2020年
Data from the ESHRE PGT consortium - year 2020

Van Montfoort A, De Rycke M, Carvalho F, Rubio C, Bronet F, Spinella F, Goossens V
The 38th Annual Meeting of the European Society of Human Reproduction and Embryology Milan, Italy 3-6 July, 2022 2022年 

ESHRE(欧州ヒト生殖医学会)は1997年にコンソーシアムを設立し、着床前遺伝子検査(PGT)および着床前染色体スクリーニング(PGT-A)のデータを収集してきた。2016年からはサイクルごとのデータを前方視的に収集している。近年、IVF 治療および遺伝子解析方法がより高度になりつつあることから、本研究では、2020 年に20ヵ国の37 施設で実施されたPGT/PGT-A 2,809件の傾向を分析し、2019年のデータと比較した。PGT の適応の内訳は、遺伝性染色体異常331件、単一遺伝子疾患987件、不妊に対する染色体検査1,417件または上記適応の重複74件であった。臨床妊娠704例と出産335例において採取された生検検体の内訳は、極体2%、分割胚20%、胚盤胞78%で、2019年と比較して胚盤胞生検の割合が増加していた。診断方法としては、対象の約4% が蛍光in situ ハイブリダイゼーション法(FISH)、約28%がポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、約68%が全ゲノム増幅(WGA)を使用していた。WGA を行った検体では、95%が次世代シークエンサー(NGS)、4%が一塩基多型(SNP)アレイ、1%がアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)を使用していた。解析1件あたりの臨床妊娠率は約25%であった。なお、児の詳細を追跡することは多くの施設で困難であった。ESHRE PGT コンソーシアムが収集するデータから得られた情報は、PGT の質的問題のモニターや、新しい方法の導入および有効性の調査に役立つものと考えられる。

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不妊治療施設を受診した女性における葉酸摂取量と卵巣予備能
Folate intake and ovarian reserve among women attending a fertility center

Kadir M, Hood RB, Mínguez-Alarcón L, Maldonado-Cárceles AB, Ford JB, Souter I, Chavarro JE, Gaskins AJ, EARTH Study Team
Fertil Steril 2022年 117巻 1号 171〜180

妊娠前後の葉酸補充は胎児の神経管閉鎖障害を予防することが知られているが、一方で葉酸不足は、細胞分裂の低下、メチル化の異常、炎症性サイトカインや酸化ストレスの増加、アポトーシスの亢進により、卵胞閉鎖や卵巣予備能の低下を招くおそれがあると報告されている。本研究では、2004~2019年に米国の1施設で実施した前方視的コホート研究(EARTH)において2007年以降に食物摂取に関するアンケート調査を行った不妊女性552例(平均35.0±4.2歳)を対象とし、葉酸摂取量と卵巣予備能の関連を評価した。治療開始前のday3に経腟超音波検査で測定した胞状卵胞数(AFC)の中央値は13個(1~30個)であった。葉酸の総摂取量、サプリメントによる摂取量、食事由来の摂取量の中央値はそれぞれ1,005、457、404μ g/ 日であった。摂取カロリーと年齢で調整したモデルや、これらに追加してBMI、活動量、学歴、喫煙状況、検査年、ビタミンB12、鉄、ビタミンD の摂取量で調整した多変量ポアソン回帰モデルによる解析の結果、葉酸摂取量の四分位数とAFC に有意な関連はみられなかった。しかし、葉酸の総摂取量およびサプリメントによる摂取量を連続変数として評価した場合、AFC との間に有意な非線形関係が認められた(Kruskal ‐Wallis 検定 p =0.05、p=0.02)。AFC に対して正の線形関係が認められた葉酸の総摂取量は約1,200μ g/ 日まで、サプリメントによる摂取量は800μ g/ 日までであり、これらを超える葉酸摂取量にさらなる有益性はみられなかった。サプリメントによる葉酸摂取量の800μ g/ 日と400μ g/ 日で比較したAFC の差は約1.5個であった。食事由来の葉酸摂取量とAFC との間に有意な非線形関係はみられなかった。この違いは、食事由来と比べてサプリメントの葉酸の吸収率が高いことによるものと考えられる。なお、AFC と強く関連する年齢、喫煙状況、BMI、不妊の原因を用いた感度分析の結果、これらは葉酸の総摂取量とAFC の関連に有意な影響を及ぼさなかったものの、元喫煙者ではサプリメントによる摂取量とAFC との正の関連がより強いことが示唆された。以上の結果から、臨床応用の意義は不明であるが、妊孕性に影響する可能性があるメカニズムについて興味深い生物学的知見が示された。

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ASRM(米国生殖医学会)によるミュラー管異常の分類法(2021年)
ASRM müllerian anomalies classification 2021

Pfeifer SM, Attaran M, Goldstein J, Lindheim SR, Petrozza JC, Rackow BW, Siegelman E, Troiano R, Winter T, Zuckerman A, Ramaiah SD
Fertil Steril 2021年 116巻 5号 1238〜1252

ミュラー管異常に関しては多くの分類法が提案されている。そのなかで、1988年に公表されたAFS(米国不妊学会)の分類法がもっともよく認知されており、利用されている。この図像を用いた分類法の長所は、シンプルで認識しやすく、臨床的な妊娠転帰と関連していることなどがある。しかし、子宮の異常に重点が置かれ、腟および子宮頚部の異常が除外されており、明確な診断基準がなく、複雑な異常の分類が不可能であることが批判されている。AFS の分類法を含め、ミュラー管異常については多くの分類法があるが、ミュラー管異常の幅広い病態は明らかにされておらず、多くの医療従事者にとって理解しづらいものとなっている。そのため、長期にわたりミュラー管異常が診断されず、不適切または不十分な外科手術が施行されたことにより、痛みや生殖機能の喪失などの問題が生じている可能性がある。ASRM(米国生殖医学会)は、ミュラー管異常の分類法に関するタスクフォースを組織し、新しい分類法の作成にあたり9つの目標を設定した[1.AFS の分類法(1988年)の長所を活かす、2. 子宮、子宮頚部、腟の異常の記載、3. 専門用語の標準化、4. 科学的データベースにおける同定のしやすさ、5. 医療従事者の教育、6.各専門分野の医療従事者による利用、7. 多様な病態に対する認識の向上、8. 患者の認識の向上と支援、9. 関連する異常の記載]。ASRMによる分類法(2021年)では、ミュラー管異常を以下の9つのカテゴリーに分類している。
・Müllerian agenesis(ミュラー管無形成)
・Cervical agenesis(頚管無形成)
・Unicornuate uterus(単角子宮)
・Uterus didelphys(重複子宮)
・Bicornuate uterus(双角子宮)
・Septate uterus(中隔子宮)
・Longitudinal vaginal septum(腟の縦隔壁)
・Transverse vaginal septum(腟の横隔壁)
・Complex anomalies(複合形態異常)
また、可能性のあるすべてのバリエーションがみられるようになっている。

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Rotterdam基準で超低卵巣反応と診断された女性に対するIVF周期卵巣刺激におけるletrozole 20mg/日と高用量ゴナドトロピンの比較:概念実証
Comparison of in vitro fertilization cycles stimulated with 20 mg letrozole daily versus high-dose gonadotropins in Rotterdam Consensus ultra-poor responders: a proof of concept

Khojah M, Khayat S, Dahan MH
Int J Gynaecol Obstet 2022年 156巻 1号 102〜106

卵巣予備能が低い女性においてアロマターゼ阻害薬letrozole と低用量ゴナドトロピンを併用したときの妊娠の転帰は高用量ゴナドトロピン単独の場合と同程度であったと報告されている。また、letrozole 5mg/ 日は2.5mg/ 日と比べて発育した卵胞数が多かったとの報告もあるが、最適な用量は明らかにされていない。本研究では、高用量letrozole 20mg/ 日と高用量ゴナドトロピンの有効性を比較するため、2015年1月~2018年6月にカナダの1施設でIVF を施行した42歳以下の女性のうち、Rotterdam 基準の低卵巣反応(過去のIVF 周期においてゴナドトロピン300IU/ 日以上による卵巣刺激で得られた11mm 以上の卵胞が0~2個)に合致した309例を対象とする後方視的研究を行った。全例にGnRH アンタゴニスト法を使用した。letrozole 群の62例(平均39±2.1歳)には、day 3からletrozole 20mg/ 日を投与し、GnRH アンタゴニストの開始日からhMG 150IU/ 日(300IU/ 日まで増量可)を投与した。対照群の247例(平均39±1.9歳)には、hMG 300~450IU/ 日を投与した。統計解析には、対応のないt 検定またはχ2検定を用いた。letrozole 群は対照群と比べてトリガー投与日の子宮内膜厚の最高値が有意に低かったが(6.4±1.0mm vs 7.4±1.7mm、p =0.001)、ゴナドトロピンの総投与量が有意に少なく(645±175IU vs 5,360±1,028IU、p =0.001)、ゴナドトロピンの費用が有意に低かった(CAN$556 ± 150 vs CAN $4,616 ± 885、p = 0.001)。また、letrozole 群は対照群と比べてキャンセル率が有意に低く(11% vs 38%、p =0.001)、その結果として開始周期あたりの継続妊娠率が有意に高く(14.5% vs4.5%、p =0.004)、胚移植あたりの継続妊娠率も高い傾向がみられた[16%(9/55) vs 7%(11/152)、p =0.05]。以上の結果から、超低卵巣反応の女性では、letrozole 20mg/ 日の使用によりIVF 周期の費用が抑えられ、高用量ゴナドトロピンと比べて少なくとも同程度の転帰が得られる可能性が示唆された。

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多嚢胞性卵巣症候群が認められた女性と認められなかった女性における妊娠高血圧症候群の予測因子:オーストラリアのウーマンズヘルスに関する縦断研究
Predictors of hypertensive disorders in pregnancy in women with and without polycystic ovary syndrome: The Australian Longitudinal Study of Women's Health

Khomami MB, Earnest A, Loxton D, Teede HJ, Joham AE
Clin Endocrinol 2021年 95巻 2号 323〜331

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性は妊娠高血圧症候群(HDP)のリスクが高いことが報告されているが、HDPの危険因子を考慮した場合のPCOSの影響は明らかにされていない。本研究では、HDP の発症に対するPCOS それ自体の影響を検討するため、1996年にオーストラリアで開始されたウーマンズヘルスに関する縦断研究(ALSWH)のposthocサブグループ解析を行った。1973~1978年に生まれた女性14,247例のうち、調査期間中(2000~2015年)に少なくとも1回妊娠し、妊娠期間が20週以上で、PCOSとHDPの有無が記録されていた5,838例を解析対象とした。慢性高血圧、1型糖尿病、2型糖尿病の女性は除外した。PCOS群(492例)はnon-PCOS群(5,346例)と比べてベースライン時のHDP の発症率が有意に高かった(12% vs9.1%、χ2検定 p=0.034)。Efron法を用いたCox 比例ハザードモデルによる単変量解析の結果、PCOS 群はnon-PCOS 群と比べてHDPのリスクが有意に高かった(ハザード比1.34、95%信頼区間1.05~1.72)。しかし、多変量解析において年齢、BMI、出生国、居住地、経産回数、多胎妊娠、妊孕性、不妊治療、妊娠糖尿病とその家族歴、社会経済的地位で調整後は、HDP のリスクについてPCOS の有無で有意差がみられなかった(1.19、0.79~1.79)。上記の危険因子で調整したHDPの予測因子は、多胎妊娠、高血圧の家族歴、若年、BMIの高値であった。また、ベースライン時のリスクグループによるサブグループ解析の結果、非肥満女性においてPCOSはHDPの高リスクと有意に関連し(1.77、1.11~2.82)、妊娠糖尿病の女性においてPCOSはHDPの低リスクと有意に関連した(0.10、0.01~0.73)。以上の結果から、PCOSの女性におけるHDPのリスクが高い場合、PCOS以外の危険因子が関連している可能性が考えられる。

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血清AMH値別で年齢をマッチさせた若年女性におけるIUIの妊娠転帰
Pregnancy outcomes of intrauterine insemination in age-matched young women according to serum anti-müllerian hormone levels

Dokuzeylul Gungor N, Gurbuz T
The journal of Reproductive Medicine 2021年 66巻 78号 195〜202

血清AMH 値は女性の妊孕性および治療反応の指標として利用できるとされている。本研究では、IUI 周期の妊娠率と血清AMH 値との関連を検討するため、ART センター1施設でIUI を施行した38歳未満の不妊女性786例を対象とする後方視的コホート研究を行った。血清AMH 値に応じて3群に分け、1.0ng/mL 未満の女性を第1群(207例)、1.0~5.0ng/mL の女性を第2群(266例)、5.0ng/mL を超える女性を第3群(313例)とした。血清AMH 値がもっとも高い第3群では、ベースライン時の胞状卵胞数が17.04±1.6個であり、他群と比べて有意に多かった(p <0.0001)。血清AMH 値がもっとも低い第1群では、day 3のFSH 値が12.2±1.2mIU/mLであり、他群と比べて有意に高かった(p <0.0001)。IUI 周期の妊娠率は、第1群で13.5%、第2群で20.7%、第3群で22.4%と、血清AMH 値が高いほど妊娠率も高かった(p =0.031)。一方、生化学的流産率、臨床的流産率、子宮外妊娠率に3群間で有意差はみられなかった(それぞれp =0.866、p =0.809、p =0.932)。また、その他の妊娠の転帰に関しても3群間で有意差はみられなかった。以上の結果から、38歳未満の女性では、年齢に関係なく、血清AMH 値が高いほど、ベースライン時の胞状卵胞数が多く、IUI 周期の妊娠率が高いことが示唆された。

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凍結胚移植を受ける女性における黄体期の血清P4:システマティックレビューとメタアナリシス
Serum luteal phase progesterone in women undergoing frozen embryo transfer in assisted conception: a systematic review and meta-analysis

Melo P, Chung Y, Pickering O, Price MJ, Fishel S, Khairy M, Kingsland C, Lowe P, Petsas G, Rajkhowa M, Sephton V, Tozer A, Wood S, Labarta E, Wilcox M, Devall A, Gallos I, Coomarasamy A
Fertil Steril 2021年 116巻 6号 1534〜1556

凍結胚移植(FET)のための最適な子宮内膜調整法については一致した見解が得られていない。一方、血中P4はFETの成功と関連することが報告されている。本研究では、黄体期の血清P4とFETの転帰との関連を検討するため、2021年3月15日までに公表された関連研究のうち、FETの前後に血清P4を測定した観察コホート研究21件(前方視的:8件、後方視的:13件、ホルモン補充周期:20件、自然周期:1件、FET 6,175サイクル、18~50歳)のレビューと、このうちホルモン補充周期でP4製剤の経腟投与および凍結胚盤胞移植を施行した16件のメタアナリシスを行った。研究ごとに血清P4の閾値が5~53.2ng/mLと異なることから、閾値のカテゴリー別(<10、10~20、>20~30、>30 ng/mL)にFETの転帰を比較した。主要評価項目は周期あたりの継続妊娠率と生産率の複合、副次評価項目は周期あたりの臨床妊娠率、妊娠あたりの流産率とした。血清P4の閾値が10ng/mL 未満の場合、閾値よりも高値の周期は、低値の周期と比べ、継続妊娠率または生産率が高く(相対的リスク1.47、95%信頼区間1.28~1.70、I2=0%、5件)、臨床妊娠率が高く(1.31、1.16~1.49、I2=0%、3件)、流産率が低く(0.62、0.50~0.77、I2=0%、5件)、感度分析を行っても結果は変化しなかった。血清P4の閾値が10~20ng/mLの場合、閾値よりも高値の周期は、低値の周期と比べ、継続妊娠率または生産率が高く(1.27、1.09~1.48、I2=0%、3件)、臨床妊娠率が高かったが(1.28、1.10~1.50、I2=0%、2件)、感度分析では血清P4と転帰の関連はみられなかった。血清P4の閾値が20ng/mLを超える場合、血清P4と転帰の関連はみられなかった。以上の結果から、FETを施行後の胚の着床時および妊娠初期において、最適な内分泌環境を確保するために必要な黄体期の血清P4には、臨床的意義のある最低値が存在する可能性が示された。

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数と質は一致するか?:
調節性卵巣刺激に対する卵巣反応が低下した若年女性から得られた胚の動的形態評価
Does quantity equal quality? — a morphokinetic assessment of embryos obtained from young women with decreased
ovarian response to controlled ovarian stimulation

Schachter-Safrai N, Kan-Tor Y, Karavani G, Or Y, Shufaro Y, Har-Vardi I, Buxboim A, Ben-Meir A
J Assist Reprod Genet, 2021年 38巻 5号 1115〜1122

加齢に伴い、卵子の数と質の両方が低下するが、卵子の早期減少は質の低下と関連するかは明らかにされていない。本研究では、2013年1月~2017年12月にイスラエルの5施設において調節性卵巣刺激に対する卵巣反応が低かった38歳未満の女性を対象とする後方視的コホート研究を行い、タイムラプス解析を用いて卵子の質を評価した。GnRH アゴニスト法またはアンタゴニスト法での調節性卵巣刺激後の採卵数が5個以下の女性241例を低卵巣反応群、6個以上の女性667例を正常群とした。ICSI の施行後、低卵巣反応群の胚519個、正常群の胚3,633個をタイムラプスインキュベーターで培養し、前核の出現から胚盤胞形成開始までの動的形態パラメータを評価した。量的変数の比較には両側Student t 検定、カテゴリー変数の比較にはカイ二乗検定またはFisher の正確検定を用いた。低卵巣反応群は正常群と比べて平均年齢(33.2歳vs 31.9歳、p <0.001)、未経産率(56.7% vs 51.0%、p =0.016)が有意に高く、新鮮胚移植後の着床率(31.9%vs 43.6%、p < 0.001)、臨床妊娠率(38.1% vs51.5%、p <0.001)が有意に低かった。また、低卵巣反応群は正常群と比べて胚の4細胞期(t4)、8細胞期(t8)、桑実胚(tM)、胚盤胞形成開始(tSB)の到達時間が有意に遅く、第2胚細胞周期(ECC2= t4- t2)が有意に長かった。さらに、低卵巣反応群の着床胚は非着床胚と比べてtSBの到達時間が有意に早かったが(平均差:約5.5時間、p=0.024)、正常群の着床胚と比べて発育が遅かった。施設、年齢、未経産、採卵数、分割期、胚盤胞期、移植胚数を変数とした多重ロジスティック回帰分析の結果、低卵巣反応、未経産、移植胚数、t4が着床の予測因子であった。数量的な卵巣予備能の低下は卵子の質的低下と関連しており、胚発育の遅延、着床率、妊娠率の低下という形で反映される。

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卵胞機能はSARS-CoV-2感染や
BNT162b2 mRNA COVID-19ワクチン接種により変化することはない
Ovarian follicular function is not altered by SARS–CoV-2 infection or BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccination

Bentov Y, Beharier O, Moav-Zafrir A, Kabessa M, Godin M, Greenfield CS, Ketzinel-Gilad M, Ash Broder E, Holzer HEG, Wolf D,Oiknine-Djian E, Barghouti I, Goldman-Wohl D, Yagel S, Walfisch A, Hersko Klement A
Hum Reprod 2021年 36巻 9号 2506〜2513

コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大およびワクチン接種の奨励に伴い、妊孕性への悪影響が懸念されている。本研究では、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)またはワクチンに対する免疫反応が卵胞機能に及ぼす影響を検討するため、2021年2月1日~3月10日にイスラエルの1施設においてIVFのための採卵を行った女性32例(平均33.75±4.8歳、感染確定9例、ワクチン接種済9例、非感染-ワクチン未接種14例)を対象とするコホート研究を実施した。採卵日に血清と卵胞液を採取し、抗COVID IgG 抗体、E2、P4、卵子の質のバイオマーカーであるヘパラン硫酸プロテオグリカン2(HSPG2)の濃度を測定した。また、採卵数や成熟卵子数、トリガー投与日のE2とP4なども評価した。年齢、胞状卵胞数、不妊原因に群間で有意差はみられなかった。女性の多くはGnRHアンタゴニスト法を用い、トリガーとしてGnRHアゴニストを使用しており、hCGのみを投与した女性の割合は6.3%であった。感染症の回復または初回ワクチン接種から採卵までの平均期間は、それぞれ98.14日、32.2日であった。血清および卵胞液の抗COVID IgG 抗体濃度はワクチン接種後の期間と正の相関を示した。また、これらの線形関係から、抗COVID IgG 抗体の卵胞膜透過性に調節機構はないことが示唆された。さらに、抗COVID IgG 抗体の卵胞液/ 血清比は、感染確定群とワクチン接種済群で差がみられなかった。トリガー投与日および採卵日の血清E2値は群間で有意差がみられなかった。トリガー投与日の血清P4値は非感染- ワクチン未接種群で低かったが(ANOVA p =0.008)、採卵日の血清P4値は群間で有意差がみられなかった。採卵日の卵胞液のE2値およびP4値も群間で有意差がみられなかった。採卵数の平均値は11.5個、成熟卵子/ 採卵数の比の平均値は0.72であり、いずれも群間で有意差がみられなかった。卵胞液のHSPG2値も群間で有意差がみられなかった。以上の結果から、SARS-CoV-2感染あるいはワクチン接種が確認された女性の卵胞液にCOVID IgG 抗体が検出されたものの、卵胞機能への悪影響はないことが示された。

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