ARTにおける卵胞発育、下垂体抑制、トリガー、黄体補充の最適化:Delphiコンセンサス
Optimising follicular development, pituitary suppression, triggering and luteal phase support during assisted reproductive technology: a delphi consensus
Orvieto R, Venetis CA, Fatemi HM, D'Hooghe T, Fischer R, Koloda Y, Horton M, Grynberg M, Longobardi S, Esteves SC, Sunkara SK, Li Y, Alviggi C
Front Endocrinol (Lausanne) 2021年 12巻 675670
実臨床の視点からみたARTの重要項目に対する専門家の意見を集め、Delphi法で合意に至った18項目のステートメントのうち主なものは以下のとおり。【卵胞発育およびゴナドトロピンによる卵巣刺激】ゴナドトロピンの分泌が正常な35歳未満の女性に対する卵巣刺激はrhFSHの単独投与で十分である。採卵数と生産率は強く関連し、新鮮/凍結胚移植周期の累積生産率と正の直線関係がある。rhFSHの各製剤はポリペプチド鎖は同一であるが、グリコシル化の違いが活性に影響する。内因性FSH/LHが低下する下垂体機能低下症に対してrhFSHとrhLHの併用はhMGと比べて妊娠率を改善し、費用対効果が高い。【下垂体抑制】GnRHアンタゴニスト法はGnRHアゴニストロング法と比べて生産率が同程度であるが、すべてのグレードの卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発現率およびキャンセル率が低い。【トリガー】新鮮胚移植周期ではhCGトリガーが標準治療である。LHピークのモニタリングまたはホルモン補充などと比べ、自然周期凍結胚移植におけるhCGトリガーの有効性は議論の余地がある。現時点のエビデンスからは、hCGトリガーと比べ、hCGとGnRHアゴニストを併用したトリガーでの妊娠率の高いことが支持されているが、さらなるエビデンスが必要である。OHSSの発現リスクが高い女性におけるトリガーには、GnRHアンタゴニスト法でのGnRHアゴニストトリガーが推奨される。【黄体補充】P4の経腟投与が黄体補充の標準治療である。黄体補充のP4にGnRHアゴニストを追加投与すると転帰が改善すると考えられ、最近は黄体補充のP4に追加して黄体期中期のGnRHアゴニストの投与が頻繁に導入されている(再投票の末に合意)。新鮮胚移植周期でトリガーとしてGnRHアゴニストを投与した場合、黄体補充のP4にLHを追加投与すると妊娠率が改善する。
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