Why do you choose "Natural progesterone?"

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Prof. Tzeng Chii-Ruey(Taipei medical university hospital)

ARTで使用される天然型プロゲステロン製剤には経口投与、筋注投与、経腟投与があり、台湾では全ての投与ルートが臨床使用可能であるが、標的臓器への薬物の直接移送が期待できる経腟投与が標準薬として選択されている。また、合成黄体ホルモン剤はステロイド受容体親和性が異なり、脱落膜化メカニズムが異なるが、合成黄体ホルモン経口剤とプロゲステロン腟剤の日付診を指標とした比較検討の結果を紹介する。

2019.05(233)

※関連製品の添付文書は、こちらをご参照ください。

1) ルティナス®腟錠 100mg(PDFファイル832KB)

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Review

藤原 敏博 先生 (フェニックスARTクリニック 院長)

藤原 敏博 先生 (フェニックスARTクリニック 院長)

プロゲステロン腟剤の上市後、5年目を迎えた我が国の黄体ホルモン剤の使用実態に関する調査結果を見ると、現在においても処方実態は海外の実態と大きく異なっていることが分かった。今回、改めて投与ルート別のPro-Conを概説し、プロゲステロン腟剤の使用が医師・患者へもたらすベネフィットについて私見を述べる。

田中 温 先生(セントマザー産婦人科 院長)

田中 温 先生(セントマザー産婦人科 院長)

黄体ホルモン剤のステロイド受容体親和性を踏まえると、天然型プロゲステロン製剤が望ましいと考えている。また、内膜日付診を指標とした多数の報告において、経腟投与は他の投与ルートに比べ、内膜発育が良好であることが明らかにされている。経腟投与はプロゲステロンが内膜組織へ直接移行することから、胚移植日血中プロゲステロン値は臨床指標として扱う必要は基本的になく、測定値による治療法の見直しが必要ないことは、臨床医にとっても患者自身にとっても喜ばしいことであると考える。

片桐 由起子 先生 (東邦大学医学部産科婦人科学講座)

片桐 由起子 先生 (東邦大学医学部産科婦人科学講座)

ART適応を有するプロゲステロン腟剤が複数上市されたことで、我々は再度、未承認薬、適応外使用の取り扱いについて情報整理する必要がある。未承認薬や適応外使用は、ICを得る必要があり、また、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない。ARTにおいても、患者の安全面は第一に踏まえる必要があり、薬剤選択も、国が認可しているものを優先的に使用することが医療者に対して求められていると考える。

蔵本 武志 先生 (蔵本ウイメンズクリニック 院長)

蔵本 武志 先生 (蔵本ウイメンズクリニック 院長)

近年では就業女性の割合が上昇していることにより、女性年齢階級別の出生率は、20歳代が著しく減少し、30歳から40歳代が急激に上昇している。ART治療においても、高齢患者は、若年患者に比べて、胚発育過程において異常をきたすリスクが高くなることから、使用する薬剤は将来的な転帰を念頭におき、有効性と同時に安全性を最優先にすべきである。

Emeritus Prof. Pak Chung Ho(Hong Kong university hospital)

Emeritus Prof. Pak Chung Ho(Hong Kong university hospital)

ARTの黄体ホルモン剤において、筋注投与と経腟投与では内膜の分泌期移行が良好であることが示されているが、経腟投与は全身循環を介さず標的臓器へプロゲステロンが移行するため、筋注投与に比べ、吐き気や傾眠、抑うつ等の頻度が低いと考えられる。近年、ジドロゲステロン経口剤の大規模研究が発表されているが、凍結胚周期のデータは限定的であり、また、長期的な胎児の先天異常リスクについてもデータが不十分であるため、台湾では今後も引き続き、プロゲステロン腟剤が標準薬として使用されていくものと考えられる。

Prof. Tzeng Chii-Ruey(Taipei medical university hospital)

Prof. Tzeng Chii-Ruey(Taipei medical university hospital)

ARTで使用される天然型プロゲステロン製剤には経口投与、筋注投与、経腟投与があり、台湾では全ての投与ルートが臨床使用可能であるが、標的臓器への薬物の直接移送が期待できる経腟投与が標準薬として選択されている。また、合成黄体ホルモン剤はステロイド受容体親和性が異なり、脱落膜化メカニズムが異なるが、合成黄体ホルモン経口剤とプロゲステロン腟剤の日付診を指標とした比較検討の結果を紹介する。

鍋田 基生先生(つばきウィメンズクリニック 院長)

鍋田 基生 先生(つばきウィメンズクリニック 院長)

国内ではプロゲステロン腟剤上市以前から現在まで、構造式が異なる合成黄体ホルモン剤が繁用されているが、ステロイド受容体結合が異なり、基礎研究分野では子宮内膜への作用メカニズムが異なることが明らかにされている。プロゲステロンとジドロゲステロン経口剤とのメタアナリシスにおける報告は、凍結胚移植周期の報告数が限定的であることを念頭に置く必要がある。

Basic

東口 篤司 先生 (札幌エンドメトリウムリサーチ)

東口 篤司 先生 (札幌エンドメトリウムリサーチ)

米国生殖医学会(ASRM)およびFDAは胎児に及ぼす安全性の観点から、ARTの妊娠初期において使用される黄体ホルモン剤について勧告を出している。我が国では海外と異なり合成黄体ホルモン経口剤の使用頻度が高い。今回は妊娠判定日までの合成黄体ホルモン経口剤の使用についても薬理学的特性を踏まえ、念頭に置いておくべきポイントを概説する。

黒田 恵司 先生 (杉山産婦人科新宿 難治性不妊診療部長 内視鏡診療部長)

黒田 恵司 先生 (杉山産婦人科新宿 難治性不妊診療部長 内視鏡診療部長)

各々の黄体ホルモン剤のステロイド受容体親和性の違いは、胚着床のための子宮内膜脱落膜化プロセスに影響を及ぼすことが自身の研究において明らかとなった。プロゲステロン投与による至適な子宮内膜脱落膜化や免疫寛容は、至適な胎盤形成および安全な出産につながることが考えられる。

北宅 弘太朗 先生 (リプロダクションクリニック大阪 院長)

北宅 弘太朗 先生 (リプロダクションクリニック大阪 院長)

プロゲステロンは胚着床に必要な炎症、つまり局所NK細胞の分化、補体活性の調整、胚への免疫寛容などを誘導するために中心的役割を果たす。また、経腟投与は、腟内から子宮内膜への薬物輸送に優れることが知られている。一方、慢性子宮内膜炎患者の内膜は、分泌期中期の形態学的分化不全、脱落膜化の遅延、プロゲステロン受容体の発現亢進を認めるため、プロゲステロン抵抗性が亢進していることを考慮しておく必要がある。

Clinical Experience

詠田 由美 先生 (IVF詠田クリニック 院長)

詠田 由美 先生 (IVF詠田クリニック 院長)

当院の黄体ホルモン剤の選択は妊娠中の投与を行う上で安全性が最大限、担保できるか否かを基準に選択してきた。以前は筋注プロゲステロンを使用していたが、ARTの黄体補充は妊娠10-12週頃まで投与する必要性が考えられることから、患者アドヒアランスを考慮してプロゲステロン腟剤を使用するに至った。近年のART適応を有する腟剤は安定した吸収が期待でき、またアプリケータを付属する腟剤では患者使用感の改善にも寄与している印象がある。

春木 篤先生 (春木レディースクリニック 院長)

春木 篤先生 (春木レディースクリニック 院長)

体内で産生されるプロゲステロンと同一構造である天然型プロゲステロン製剤は標的組織のホルモン感受性を良好に保つメカニズムが存在すると考えている。プロゲステロン腟剤は標的臓器への薬物移送に優れているが、近年発売された腟内挿入補助具を有する製剤ではより効率的な移送が期待できる。当院では合成黄体ホルモン製剤にプロゲステロン腟剤を併用することで継続妊娠率が向上した印象を持っている。

川井 清考先生 (亀田IVFクリニック幕張 院長)

川井 清考先生 (亀田IVFクリニック幕張 院長)

当院がホルモン補充周期-凍結融解胚移植において重要視している点は、黄体ホルモン剤投与開始時間および胚移植のタイミングである。黄体ホルモン剤の受容体親和性を考慮すると、天然型プロゲステロン製剤が望ましいと考えるが、筋注投与に比べて経腟投与は、薬剤投与開始時間の管理を厳格に行うことができるため、安定した臨床成績が期待できると考えている。

中山 貴弘先生 (足立病院 生殖内分泌センター 副院長)

中山 貴弘先生 (足立病院 生殖内分泌医療センター 副院長)

プロゲステロンは子宮内膜への局所的作用のみならず、全身に対しても作用している。胚は本来、細胞障害性免疫の攻撃を受ける筈であるが、プロゲステロンはレチノイド代謝経路を介したTh2上昇により、免疫寛容に働きかける。さらに、子宮平滑筋細胞の緊張や収縮を抑えることで流産を抑制し、子宮を妊娠維持に適した環境にすることが知られている。

阿部 崇先生 (Shinjuku ART Clinic 院長)

阿部 崇先生 (Shinjuku ART Clinic 院長)

当院では、本来、女性に備わっている生殖能力を最大限利用する自然周期を標準的治療アプローチとしているが、ホルモン剤使用時においても、可能な限り、内因性ホルモンに近いものを使用したいと考えている。自然排卵周期-凍結融解胚移植においても、一定の割合で黄体機能不全を認める症例が含まれている可能性を考慮し、移植後は全例にプロゲステロン腟剤を投与しているが、満足のいく成績が得られている。

伊藤 知華子先生  (セントソフィアクリニック 院長)

伊藤 知華子先生 (セントソフィアクリニック 院長)

近年の報告によると、凍結胚移植周期の母体側の周産期転帰は、新鮮胚移植に比べて、癒着胎盤や妊娠高血圧症候群の頻度が有意に高く、また胎児側においても少数例ではあるが、性器形成異常の頻度が上昇傾向にある。こうした背景より移植周期に使用される黄体ホルモン剤についても細部を見直す必要があると考えるが、薬剤選択においては各々の黄体ホルモン剤のステロイド受容体親和性の違いを念頭に置くべきなのかもしれない。

香川 珠紀 先生 (おおたかの森ARTクリニック 院長)

香川 珠紀 先生 (おおたかの森ARTクリニック 院長)

ホルモン補充周期凍結融解胚移植において、合成黄体ホルモン経口剤プロトコールとプロゲステロン腟剤プロトコールの成績を背景因子のマッチング分析により検討した。さらに薬剤のステロイド受容体親和性および胎児に及ぼす安全性リスクを踏まえ、包括的に理想的な標準的治療法について考察する。

羽原 俊宏先生 (岡山二人クリニック 院長)

羽原 俊宏先生 (岡山二人クリニック 院長)

当院のARTにおける黄体ホルモン剤の選択は、特に胎児の安全性に影響を及ぼす可能性がある点を慎重に考慮しており、妊娠判定期以降はプロゲステロン腟剤を使用している。有効性の観点では、プロゲステロンは子宮筋層の子宮収縮と関連のある遺伝子の発現を調節することで、オキシトシン受容体の数を減少させ、子宮収縮の頻度を低下させることが報告されているため、妊娠初期流産の抑制が期待できると考えている。