ULTRA試験:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)関連不妊の女性における経腟超音波ガイド下での新しいMay Healthデバイスを用いた卵巣焼灼:実行可能性を検討したファースト・イン・ヒューマン試験
The ULTRA trial: transvaginal ULTRAsound-guided ovarian ablation using the novel May Health device in women with PCOS-related infertility: first-in-human feasibility clinical trial
Amer S, Hansen K, Wyns C, Autin C, Fernandez H, Jegaden M, Jayaprakasan K, Metwally M
The 39th Annual Meeting of the European Society of Human Reproduction and Embryology
Copenhagen, Denmark 25-28 June, 2023 2023年
腹腔鏡下卵巣多孔術(LOD)はPCOS 関連不妊に有効な2ndライン治療の1つとして広く認められているが、全身麻酔を要し、相当のリスクを有する侵襲的手技である。一方、新しいMay Health デバイスは全身麻酔の必要がなく非侵襲的で、卵巣焼灼量を正確に計算できるように設計されており、個人開業医での使用も可能である。本研究では、経腟超音波(TVUS)ガイド下でのMay Health デバイスを用いた卵巣焼灼の実行可能性、安全性、有効性を検討するため、英国、フランス、ベルギー、米国の7施設において、クロミフェンまたはレトロゾールに抵抗性を示す無排卵性PCOSの女性を対象とした第1相単群試験2件を行った。術後の排卵確認時または12週後まで血清P4値を週1回測定した。観察期間はEU で24ヵ月、米国で12ヵ月とした。23例(平均31.8±3.1歳)がMay Health デバイスによるTVUS ガイド下卵巣焼灼を受け、3ヵ月以上の経過観察を行った。両側の卵巣焼灼が成功した女性は19例(82.6%)で、3例は卵巣が小さいため、1例はアクセス不能のため片側の卵巣焼灼を受けた。このうち10例(43.5%)では3ヵ月以内に自然排卵が認められた。一部の女性はクロミフェンまたはレトロゾールを使用し、さらに6例では3ヵ月後から9ヵ月後までに排卵が認められた。総排卵率は69.6%(16/23例)であった。9ヵ月の経過観察を完了した11例のうち5例が妊娠した。さらに2例が9ヵ月の経過観察完了前に妊娠した。総妊娠率は53.8%(7/13例)であった。有害事象が14例に29件(軽症25件、中等症2件、重症2件)認められ、このうちデバイスまたは手技と関連した9件の有害事象は軽症または中等症であった。以上の結果から、クロミフェンまたはレトロゾールに抵抗性を示す無排卵性PCOS の女性においてTVUS ガイド下でのMayHealth デバイスを用いた卵巣焼灼は実行可能で、安全かつ有効であることが示された。
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