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雑賀 隆史 先生
雑賀 夜間頻尿は、下部尿路症状(LUTS)のなかでも男女とも生活支障度が高い症状の一つです1)。夜間頻尿の主な原因は、多尿・夜間多尿、睡眠障害、膀胱蓄尿障害であり、これらは複合的に併発することもあります。
「夜間頻尿診療ガイドライン第2版」の泌尿器科専門医向けのアルゴリズムでは、排尿日誌に基づいて、多尿、夜間多尿、多尿も夜間多尿もなし、の3つのグループに分けて治療指針が示されています2)。夜間多尿の診療アルゴリズムでは、飲水指導や塩分制限などの行動療法を行っても効果がない場合、心不全、高血圧、慢性腎臓病、睡眠呼吸障害などの可能性があれば各専門医へ紹介し、これら内科疾患の可能性がなければ、薬物療法を追加します2)。ミニリンメルト®OD錠50μg/25μgは、男性の夜間多尿による夜間頻尿の治療薬として日常診療で使用されています。
本日は、「夜間頻尿の治療戦略を多角的視点から探る」をテーマに、梶原先生には泌尿器科医の立場から、古川先生には糖尿病内科医の立場から、松井先生には循環器内科医の立場から解説いただき、ミニリンメルト®OD錠50μg/25μgの処方にあたって使用上の留意点、処方対象患者について討論していきたいと思います。