開 催 2021年6月23日(水)
会 場 ビデオ会議システムを利用したリモート開催
Opening
山西 友典 先生
夜間頻尿は下部尿路症状(LUTS)のなかでも頻度が高く、QOLの低下、精神状態、睡眠障害、転倒・骨折、死亡率、労働生産性・活力の低下に影響を及ぼします(図1)1~5)。「夜間頻尿診療ガイドライン第2版」の泌尿器科専門医向け診療アルゴリズム6)では、排尿日誌を基本評価として多尿、夜間多尿、多尿も夜間多尿もなし、の3つに鑑別し、多尿、夜間多尿に対してはそれぞれの治療を行い、さらに膀胱蓄尿障害がある場合はその治療も行い、多尿、夜間多尿、排尿蓄尿障害もない場合は、睡眠障害の精査・治療が推奨されています。
夜間多尿に対しては膀胱蓄尿障害の有無にかかわらず飲水制限などの生活指導と行動療法を行います。そのうえで膀胱蓄尿障害がある場合はその治療を優先します。それでも改善がみられない場合、その背景として心不全、降圧の不十分な高血圧、慢性腎臓病(CKD)、睡眠呼吸障害の可能性があれば各領域の専門医に紹介します。その可能性がない場合、排尿日誌で夜間多尿指数(NPi)が33%以上、夜間排尿回数2回以上が確認されれば、ミニリンメルト®OD錠50μg/25μgの適応となります。
本日は、最初に根来先生から「概日リズムからみる夜間頻尿」について解説していただいてから、各先生方にどのように夜間頻尿を治療しているのか、お話しいただきます。
今回のキーワード
- 夜間頻尿
- 夜間多尿
- 概日リズム
- 行動療法
- 飲水指導
図1
夜間頻尿の影響(イメージ図)
1)Coyne KS, et al. BJU Int 2003; 92; 948-954.
2)Yoo SS, et al. Korean J Urol 2010; 51; 757-762.
3)van Dijk L, et al. BJU Int 2004; 93; 1001-1004.
4)Nakagawa H, et al. J Urol 2010; 184; 1413-1418.
5)Kobelt G, et al. BJU Int 2003; 91; 190-195.