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弊社製品領域の最新情報を論文等から紹介しています。特定の薬剤/システムの処方/使用誘因あるいは企業の営利を企図するものではなく、
また国内での承認外の情報を一部含んでおりますがこれを推奨するものではありません。薬剤の使用にあたっては最新の添付文書をご参照ください。


ART と出産転帰:フィンランドの住民登録台帳を用いた家族内解析
Medically assisted reproduction and birth outcomes: a within-family analysis using Finnish population registers

Goisis A, Remes H, Martikainen P, Klemetti R, Myrskylä M
Lancet 2019年 

2000年のフィンランドの住民登録から0~14歳の小児65,723例を無作為に抽出し、出産転帰に対するART の有害作用を検討した。1995~2000年に生まれたART 児2,776例(4%)は自然妊娠児と比べて出生体重が低く(調整後の差-60g、95% CI -86~-34)、早産のリスクが高かった(調整後の差2.15パーセンテージポイント、95% CI 1.07~3.24)。1例以上のART 児と自然妊娠児をもつ578家族の1,245例(ART 児625例、自然妊娠児620例)のデータを用いて同胞と比較する家族内解析を行ったところ、出産転帰とART との関連が弱まり、ART と自然妊娠との有意差がなくなった(出生体重:調整後の差-31g、95% CI -85~22、早産のリスク:調整後の差1.56パーセンテージポイント、95% CI -1.26~4.38)。

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ホルモン補充周期の凍結胚移植後における過期産と帝王切開の増加
Increased incidence of post-term delivery and cesarean section after frozen-thawed embryo transfer during a hormone replacement cycle

Saito K, Miyado K, Yamatoya K, Kuwahara A, Inoue E, Miyado M, Fukami M, Ishikawa T, Saito T, Kubota T, Saito H
J Assist Reprod Genet 2017年 34巻 4号 465〜470

後方視的コホート研究。2013年に日本のART レジストリに登録された凍結胚移植のうち、妊娠22週以降に単胎児を出産した女性18,676例(ホルモン補充療法10,235例、自然周期6,287例、その他2,154例)を対象とし、有害妊娠転帰のリスクを検討した。ホルモン補充療法は自然周期と比べて出生体重2,500g 未満の割合が有意に高く[922/10,209例(9.0%)vs 499/6,272例(8.0%)、p =0.017]、SGA(small for gestational age)の割合が有意に高く[609/10,002例(6.1%)vs 323/6,238例(5.2%)、p =0.015]、過期産の割合が有意に高く[135/10,235例(1.3%) vs 15/6,287例(0.2%)、p <0.001]、帝王切開の割合が有意に高かった[4,406/10,235例(43.0%) vs 2,114/6,287例(33.6%)、p <0.001]。多重ロジスティック回帰分析の結果、ホルモン補充療法は自然周期と比べて過期産(調整OR 5.68、95% CI 3.30~9.80)、帝王切開(1.64、1.52~1.76)のリスクが有意に高かった。

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初期胚と比較した胚盤胞の凍結胚移植による転帰の改善:
生殖補助医療学会臨床転帰報告システム研究
Improved outcomes after blastocyst-stage frozen-thawed embryo transfers compared with cleavage stage:
a Society for Assisted Reproductive Technologies Clinical Outcomes Reporting System study

Holden EC, Kashani BN, Morelli SS, Alderson D, Jindal SK, Ohman-Strickland PA, McGovern PG
Fertil Steril 2018年 110巻 1号 89〜94

後方視的コホート研究。2004~2013年に生殖補助医療学会臨床転帰報告システム(SART CORS)データベースに登録された凍結胚移植236,191サイクルを対象とし、初期胚移植117,619サイクルと胚盤胞移植118,572サイクルの産科転帰および周産期転帰を比較した。胚盤胞移植は初期胚移植と比べて、生産率が有意に高く(調整OR 1.49、95% CI 1.44~1.54)、流産が有意に少なく(0.93、0.88~0.98)、妊娠37週未満の出産が多かったが(1.16、1.06~1.27)、出生体重、新生児の死亡率、死産率に有意差はみられなかった。

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多嚢胞性卵巣症候群女性の妊娠合併症
Pregnancy complications in women with polycystic ovary syndrome

Palomba S, de Wilde MA, Falbo A, Koster MP, La Sala GB, Fauser BC
Hum Reprod Update 2015年 21巻 5号 575〜592

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性における妊娠合併症と病態生理に関する総説。BMI や他の交絡因子で補正していないデータにおいて、PCOS は妊娠高血圧症候群と子癇前症のリスクが3~4倍高く、妊娠糖尿病のリスクが3倍高く、早産率が2倍高かった。PCOS の特徴であるアンドロゲン過剰症、肥満、インスリン抵抗性、代謝異常が産科および新生児の合併症のリスク増加に寄与する可能性がある。また、ART の非施行と比べて施行した女性では妊娠糖尿病のリスクが高かった。不妊症自体および不妊症の原因は、妊娠合併症のリスクを増加させることが明らかにされており、無排卵周期症はPCOS と関連することから、PCOS の女性に排卵誘発剤やART を使用すると、妊娠合併症のリスクが増加すると考えられる。

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凍結胚移植(FET)による単胎児の巨大児症候群:母体側因子または凍結法が原因か?
Large baby syndrome in singletons born after frozen embryo transfer (FET): is it due to maternal factors or the cryotechnique?

Pinborg A, Henningsen AA, Loft A, Malchau SS, Forman J, Andersen AN
Hum Reprod 2014年 29巻 3号 618〜627

コホート研究。1997~2006年にデンマークで生まれた単胎児[凍結胚移植(FET)896例、新鮮胚移植9,480例、自然妊娠4,510例]、1994~2008年にFET と新鮮胚移植をそれぞれ施行後に生まれた同胞666例を対象とし、LGA(largefor gestational age)のリスク、母体側因子や凍結融解法との関連を評価した。FET はLGA のリスクが高かった。同胞において母体年齢、経産、出生年、出生順で補正後もFET は新鮮胚移植と比べてLGA のリスクが高かった。したがって、母体側因子よりもむしろ凍結融解法がLGA のリスク増加と関連し、初期胚の段階でのエピジェネティックな変化が影響するものと考えられた。

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胚凍結保存と子癇前症リスク
Embryo cryopreservation and preeclampsia risk

Sites CK, Wilson D, Barsky M, Bernson D, Bernstein IM, Boulet S, Zhang Y
Fertil Steril 2017年 108巻 5号 784〜790

後方視的コホート研究。2005~2010年に米国においてART の単胎児9,417例と双胎児6,520例を対象とし、ART と子癇前症との関連を検討した。自己卵子での単胎妊娠では、新鮮胚移植と比べて凍結胚移植において子癇前症が有意に多かった(7.51% vs 4.29%、p <0.0001)。自己卵子での双胎妊娠では、新鮮胚移植と比べて凍結胚移植において重症の子癇前症(9.26% vs 5.70%、p=0.0009)、早産を伴う子癇前症(14.81% vs 11.74%、p=0.04)が有意に多かった。提供卵子での単胎妊娠では、凍結胚移植と新鮮胚移植における子癇前症に有意差はみられなかった(10.78% vs 12.13%、p=0.56)。提供卵子での双胎妊娠でも、凍結胚移植と新鮮胚移植における子癇前症に有意差はみられなかった(28.00%vs 25.15%、p =0.54)。

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ART と周産期の緊急子宮摘出術のリスク:傾向スコアマッチングを用いた分析
Assisted reproductive technology and the risk of unplanned peripartum hysterectomy: analysis using propensity score matching

Park HS, Kwon H, McElrath TF
Hum Reprod 2018年 33巻 8号 1466〜1473

後方視的コホート研究。2014~2015年に米国で出産した女性7,986,908例のうち、傾向スコアでマッチングしたART 群43,868例、non-ART 群43,868例を対象とし、周産期のリスクを評価した。周産期の緊急子宮摘出術のリスクはART 群が0.0021、non-ART 群が0.0004であり(RR 4.947、95% CI 3.022~8.098)、単胎妊娠ではART 群で有意に高かったが(4.313、2.470~7.533)、多胎妊娠では群間で有意差がみられなかった。妊娠糖尿病、高血圧、子癇、骨盤位、絨毛膜羊膜炎、分娩誘発、鉗子分娩、帝王切開などのリスクもART 群でわずかに高かった。

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凍結胚移植は癒着胎盤の独立危険因子である
Cryopreserved embryo transfer is an independent risk factor for placenta accreta

Kaser DJ, Melamed A, Bormann CL, Myers DE, Missmer SA, Walsh BW, Racowsky C, Carusi DA
Fertil Steril 2015年 103巻 5号 1176〜1184.e2

症例対照研究。2005~2011年に米国の1施設でIVF/ICSI を受け、妊娠24週以降に出産した1,571例を対象とし、凍結胚移植と癒着胎盤のリスクとの関連を検討した。癒着胎盤群50例に対し、年齢や帝王切開歴をマッチさせた149例を対照群とした。多変量解析の結果、凍結胚移植は癒着胎盤と有意に関連し(調整OR 3.20、95% CI 1.14~9.02)、病的な癒着胎盤に限定しても有意な関連がみられた(3.87、1.08~13.81)。また、提供卵子を用いた37サイクルを除いて解析したところ、凍結胚移植と癒着胎盤との関連が強まった(調整OR 4.54、95% CI 1.65~12.45)。凍結胚移植周期は新鮮胚移植周期と比べて、子宮内膜厚中央値(8.4mm vs 10.6mm、p =0.001)、E2最大値の中央値(563pg/mL vs 1,883pg/mL、p =0.001)が有意に低かった。

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ART による妊娠の帝王切開率の増加と関連する因子
Factors associated with increased odds of cesarean delivery in ART pregnancies

Stern JE, Liu CL, Cabral HJ, Richards EG, Coddington CC, Missmer SA, Diop H
Fertil Steril 2018年 110巻 3号 429〜436

後方視的コホート研究。2004年7月~2010年12月に米国のデータベース(SART CORS、PELL)に登録された初産婦のうち、単胎児を出産した173,130例(ART 群5,768例、不妊症群2,657例、正常群164,705例)を対象とし、帝王切開の関連因子を検討した。ART 群は正常群と比べて、年齢が高く、白人と非ヒスパニック系が多く、民間保険の加入者が多く、子宮手術歴、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、出血、胎盤の合併症がある女性が多かった。帝王切開率は、ART 群で45.7%、不妊症群で43.3%、正常群で31.1%であった。帝王切開率への影響が大きい交絡因子は、母体年齢と子宮手術歴であった。

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母の妊孕性状態による妊娠、出産、乳児転帰:MOSART
Pregnancy, birth, and infant outcomes by maternal fertility status: the Massachusetts Outcomes Study of Assisted Reproductive Technology

Luke B, Gopal D, Cabral H, Stern JE, Diop H
Am J Obstet Gynecol 2017年 217巻 3号 327.e1〜327.e14

縦断コホート研究。2004年7月~2010年12月に米国のマサチューセッツにおいて妊娠22週以降に350g 以上の単胎児を出産した女性459,623例[正常441,420例、不妊症に対してIVF を施行しなかった8,054例(non-IVF)、IVF を施行した10,149例]を対象とし、妊娠と出産の転帰に及ぼす妊孕性の影響を検討した。non-IVF 群およびIVF 群は正常群と比べて有害妊娠転帰(特に子宮出血、胎盤合併症)のリスクが高かった。IVF 群はnon-IVF 群と比べて子宮出血(調整RR 2.28、1.77~2.93)、胎盤合併症(1.95、1.67~2.28)、周産期の入院(1.42、1.24~1.64)、帝王切開(1.10、1.05~1.15)、低出生体重(1.21、1.08~1.36)、超低出生体重(1.40、1.06~1.86)、早産(1.26、1.14~1.39)、超早産(1.44、1.10~1.89)が有意に多かった。

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