最新学術情報

リプロダクティブ ヘルス領域の一覧に戻る

弊社製品領域の最新情報を論文等から紹介しています。特定の薬剤/システムの処方/使用誘因あるいは企業の営利を企図するものではなく、
また国内での承認外の情報を一部含んでおりますがこれを推奨するものではありません。薬剤の使用にあたっては最新の添付文書をご参照ください。


子宮内膜の薄い患者の凍結胚移植における成長ホルモン補充の影響
Influence of growth hormone supplementation in patients with thin endometrium undergoing frozen embryo ransfer

Yang JY, Li H, Lu N, Li L, Sun XX
Reproductive and Developmental Medicine 2019年 3巻 1号 49〜53

成長ホルモン(GH)は代謝を促進するのみならず、GH 受容体やインスリン様成長因子を介して生殖も制御している。GH による卵子の質や数の改善が示唆されているが、子宮内膜受容能への影響については明らかにされていない。本研究では、子宮内膜受容能に対する遺伝子組換えヒトGH(rhGH)の影響を検討するため、2016 年1 月~2017年11月に中国上海で凍結胚移植を施行した40歳以下の女性のうち、プロゲステロン投与日の子宮内膜厚が8mm 未満であった225例の245サイクル(rhGH 群184サイクル、対照群61サイクル)を対象とする後方視的研究を行った。前周期の2~3日目からエストラジオール(E2)4mg/日の経口投与を開始し、黄体期中期にGnRH アゴニストを単回投与した。月経開始後にE2 1mg/日の経腟投与を追加し、2週後の子宮内膜厚が8mm 未満の場合にはさらに7日間投与した。プロゲステロン(P4)40mg を1日2回、筋肉内へ5日間投与後、凍結胚移植を行った。rhGH は4.5IU を隔日で、P4の投与開始日から胚移植日まで皮下投与した。両群の年齢、BMI、不妊期間、不妊原因、IVF の施行歴、FSH、E2、P4の基礎値、P4投与日のE2値、P4値、子宮内膜厚に有意差はみられなかった。しかし、rhGH 群は対照群と比べて主要評価項目の臨床妊娠率が有意に高く(64.7% vs 49.2%、p =0.032)、着床率も有意に高かった(44.8% vs 32.8%、p =0.019)。早期流産率は群間で有意差がみられなかった(17.7% vs 10.0%、p =0.41)。ロジスティック回帰分析の結果、rhGH の補充のみが臨床妊娠率の有意な予測因子であった(p =0.032)。なお、年齢の上昇に伴って臨床妊娠率が低下したが、31~34歳の女性ではrhGHの補充により妊娠率が2.86倍上昇し、一方で30歳未満および35歳以上の女性ではrhGH の有意な影響はみられなかった。30歳未満の場合は年齢の若さがrhGH の非補充を代償し、35歳以上の場合はrhGH を補充しても妊孕性の低下による影響を改善できなかったと考えられた。

 参考URL

続きを見る

 

新鮮または凍結ART周期の黄体期にGnRHアゴニストを投与したときの臨床妊娠:システマティックレビューとメタアナリシス
Clinical pregnancy following GnRH agonist administration in the luteal phase of fresh or frozen assisted reproductive technology (ART) cycles:systematic review and meta-analysis

Chau LTM, Tu DK, Lehert P, Dung DV, Thanh LQ, Tuan VM
Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol 2019年 X巻 3号 100046〜

GnRH アゴニストはLH の産生を促進して黄体期をサポートすることが報告されているが、顆粒膜細胞によるP4の産生を阻害することから、IVF 転帰に悪影響を及ぼすとも考えられる。本研究では、標準的黄体補充に追加投与した黄体期のGnRH アゴニストが新鮮胚移植または凍結胚移植による臨床妊娠率に及ぼす影響を検討するため、2019年3月までに報告された関連研究のシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。新鮮胚移植の研究12件(無作為化比較試験10件、準無作為化比較試験2件)、凍結胚移植の研究8件(無作為化比較試験5件、準無作為化比較試験1件、前方視的コホート研究2件)を特定し、IVF/ICSI のために卵巣刺激を行った5,497例のデータを解析した。研究全体では、標準的黄体補充のみと比べ、黄体期にGnRH アゴニストを追加投与した患者の臨床妊娠率が有意に高かった[リスク比(RR)1.24、95%信頼区間(CI)1.14~1.34、p <0.0001]。新鮮胚移植では、GnRH アゴニストロングプロトコール(RR 1.22、95%CI 1.05~1.41、p =0.009)、GnRH アンタゴニストプロトコール(1.49、1.17~1.90、p =0.001)において黄体期にGnRH アゴニストを追加投与した患者の臨床妊娠率が有意に高く、黄体期に追加投与したGnRH アゴニストの影響にプロトコール間で有意差はみられなかった(1.28、0.98~1.67、p =0.07)。凍結胚移植では、黄体期にGnRH アゴニストを追加投与した患者の臨床妊娠率が有意に高く(RR 1.22、95% CI 1.11~1.34、p <0.0001)、この影響は新鮮胚移植の場合と同等であった(0.93、0.74~1.16、p =0.49)。以上の結果から、新鮮胚移植または凍結胚移植を行う女性では、黄体期のGnRH アゴニストの追加投与により臨床妊娠率が改善することが示された。

 参考URL

続きを見る

 

胚盤胞培地を用いた最小侵襲性着床前スクリーニング
Minimally invasive preimplantation genetic testing using blastocyst culture medium

Jiao J, Shi B, Sagnelli M, Yang D, Yao Y, Li W, Shao L, Lu S, Li D, Wang X
Hum Reprod 2019年 34巻 7号 1369〜1379

着床前スクリーニングのDNA試料として胚盤胞培地の利用が報告されているが、均衡転座の検出における検証は行われていない。本研究では、胚盤胞培地を用いた最小侵襲性染色体スクリーニング(MICS‐Inst)の有用性を検証するため、2018年5~8月に中国の1施設において登録された染色体転座保因者のカップル22組、正常核型のカップル8組の凍結胚盤胞を用いた研究を行った。Gardner 分類でBB 以上と判定された良好胚盤胞(染色体転座保因者カップル:41個、正常核型カップル:21個)を用い、胚盤胞培地検体、栄養外胚葉(TE)生検検体、胚盤胞期胚(BE)検体を採取した。TE生検では、3~5個の細胞を採取した。胚盤胞培地検体については、融解胚盤胞を培地に入れて14時間置き、レーザーパルスを1回照射してから1時間後に採取した。全ゲノム増幅およびMALBAC 法(multiple annealing and loopingbasedamplification cycles)によりライブラリーを作製し、最終的なPCR産物の配列を決定した。正常核型カップルの胚盤胞から採取した3つの検体にPGT‐Aを実施したところ、BE 検体の結果との臨床的一致率が胚盤胞培地検体で90.48%、TE 生検検体で85.71%であり、核型一致率がともに76.19%であった。染色体転座保因者カップルの胚盤胞から採取した3つの検体にPGT‐SRを実施したところ、BE検体との臨床的一致率が胚盤胞培地検体とTE 生検検体ともに100%、核型一致率がそれぞれ90.24%、100%であった。これらの結果のいずれも胚盤胞培地検体とTE生検検体で有意差はみられなかった。胚盤胞培地検体を用いたスクリーニングでは部分的な異常を正確に数えることができた。また、MICS‐Instでは、新しいプライマーを使用することでライブラリーの作製操作が減り、以前の方法と比べて全体的に7.5時間短縮した。以上の結果から、MICS‐Instは有用かつ正確であり、胚盤胞移植までの時間が短いことが示された。

 参考URL

続きを見る

 

胚移植前のhCGの子宮腔内注入はIVF-ETの転帰を改善できる:
無作為化比較試験のメタアナリシス
Intrauterine injection of human chorionic gonadotropin before embryo transfer can improve in vitro fertilization-embryo transfer
outcomes: a meta-analysis of randomized controlled trials

Gao M, Jiang X, Li B, Li L, Duan M, Zhang X, Tian J, Qi K
Fertil Steril,112(1):89-97.e1,2019 2019年 112巻 1号 89〜97

hCGはサイトカインシグナル伝達経路の制御を介して胚の着床に関与している可能性がある。しかし、これまでの臨床試験やメタアナリシスでは一致した知見が得られていない。本研究では、胚移植前のhCGの子宮腔内注入がIVF‐ETの転帰を改善するかを検討するため、2018年1月までに報告されたhCGの子宮腔内注入に関する無作為化比較試験15件のメタアナリシスを行った。解析対象の2,763例のうち、1,406例がhCG 注入群、1,357例が対照群であった。hCGの子宮腔内注入時期については、胚移植前15分以内が10件、6時間前が1件、48時間前が1件、72時間前が1件であった。hCGの投与量については、500IUが12件、700IUが1件、1,000IUが1件、500IUまたは1,000IUが1件であった。hCG注入群は対照群と比べて生産率[44.89%(294/655例) vs 29.76%(211/709例)、オッズ比2. 02(95%信頼区間1. 61~2. 55)、p<0.00001]、継続妊娠率[48.09%(189/393 例) vs 33.42%(133/398 例)、1.89(1.41~2.54)、p < 0.0001]、臨床妊娠率[47.80%(566/1,184例) vs 32.78%(377/1,150例)、2.02(1.70~2.41)、p < 0.00001]、着床率[31.64%(585/1,849 例) vs 22.52%(391/1,736 例)、1.60(1.21~2.13)、p=0.001]が有意に高く、流産率[12.45%(32/257例)vs 18.56%(31/167 例)、0.57(0.33~0.99)、p =0.04]が有意に低かった。サブグループ解析の結果、胚移植前15分以内にhCG 500IUを子宮腔内へ注入した場合、妊娠転帰の改善がもっとも大きいことが示唆された。また、新鮮胚移植は凍結胚移植と比べて着床率が有意に高く、胚移植法に対するhCGの子宮腔内注入の影響が異なる可能性も考えられた。

 参考URL

続きを見る