プロウペスの投与
プロウペスの投与方法
投与前 | 分娩監視装置を用いた連続モニタリングを開始し、投与の適否の最終確認をしてください。 <参考:国内臨床試験ではプロウペス投与20分前に開始> |
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投与直前 | プロウペス(アルミラミネート袋入り)は投与直前に冷凍庫から取り出し、未開封のまま使用場所に運び、開封してください。 | |
投与 (挿入) |
アルミラミネート袋からプロウペスを取り出す際は、取り出し用紐(ネット)の損傷を避けるため、はさみ等の鋭利なものは使用せず、手で破ってください。 |
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医療用手袋をはめ、プロウペスを取り出し第二指と第三指の間で保持し、後腟円蓋に挿入し、腟内に留置してください。子宮頸管内には挿入しないでください。 |
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取り出し用紐は引き抜く部分を腟外に出し、プロウペスを速やかに除去できるようにします。取り出し用紐の残りは腟内に入れ込んでください。長い場合には、必要に応じて、はさみでカットしてください。 |
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投与開始 直後 |
プロウペス投与開始直後は分娩監視装置の装着状況を再度確認し、分娩監視装置が正常に作動していることを確認してください。 妊婦は横になった状態で、少なくとも30分間安静にさせてください。プロウペスは腟内の水分によって膨潤し、厚みが増すとともに柔軟性をもち、後腟円蓋に収まりやすくなることで自然脱落のリスクの軽減が期待できます。 |
プロウペス投与中の注意
妊婦がトイレに行く際には、なるべく取り出し用紐に触らないよう指導し、気になることがある場合には遠慮せずに申告するよう伝えてください。また、必要に応じてプロウペスが適正部位に留置されていることを確認してください。
プロウペスが腟内から脱出した場合は再挿入しないでください。不衛生な場所での脱落の場合、プロウペスの再挿入により感染症等が生じるおそれがあります。
プロウペスの除去参照
プロウペス投与中のモニタリング
投与中 |
プロウペスの除去参照 |
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プロウペスの除去
プロウペス投与開始後12時間以降もジノプロストンが持続的に放出されるため、12時間経過した場合は、子宮頸管熟化の有無にかかわらず除去してください。
下記のいずれかに該当する場合はプロウペスを速やかに除去してください。
(1)30分間にわたり規則的で明らかな痛みを伴う3分間隔の子宮収縮 | 過強陣痛を避けるため、このような場合は子宮頸管熟化の有無にかかわらず、プロウペスを速やかに除去してください。 |
(2)新たな破水 | 破水後には陣痛が開始されやすい1)と共に、破水によるpH上昇に伴いジノプロストンの放出速度が高まります。過強陣痛のリスクを避けるため、プロウペス投与中に新たに破水した場合は、プロウペスを速やかに除去してください。 |
(3)人工破膜を行うとき | |
(4)過強陣痛やその徴候の発現 | 過強陣痛やその徴候である子宮頻収縮があらわれた場合には、プロウペスを速やかに除去してください。子宮頻収縮は子宮収縮回数が10分間に5回を超える場合を指します。 |
(5)胎児機能不全やその徴候の発現 | 胎児アシドーシス、胎児心拍異常、子宮内胎児低酸素症等を含む胎児機能不全があらわれることがあります。分娩監視装置から胎児機能不全やその徴候を確認した場合は、プロウペスを速やかに除去してください。 |
(6)悪心、嘔吐、低血圧等の全身性の副作用の発現 | 一般的な分娩時にみられる悪心、嘔吐、低血圧等の事象とは異なりプロウペスの全身性の副作用と考えられる事象が認められる場合には、何らかの理由でプロウペス由来のジノプロストンの曝露量又は反応性が異常に高くなっている可能性が懸念されるため、プロウペスを速やかに除去してください。 |
1回の分娩において、プロウペスを2個以上使用しないでください。
プロウペスの除去方法
プロウペス の除去 |
取り出し用紐をゆっくりと引いて除去してください。プロウペス除去時に子宮収縮や有害事象が認められる場合には、除去から少なくとも1時間の連続モニタリングを行ってください。 |
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廃棄 | 使用後のプロウペスは、医療廃棄物として廃棄してください。 |
1)松田義雄他:臨床エビデンス産科学 第2版. 2006; 241-252.[FP08476]